阿膠(読み)アキョウ

デジタル大辞泉 「阿膠」の意味・読み・例文・類語

あ‐きょう〔‐ケウ〕【××膠】

中国、山東省東阿県で作られる上質のにかわ接合ほか漢方薬などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「阿膠」の意味・読み・例文・類語

あ‐かわ‥かは【阿膠】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「阿膠」の字音「あかう」と和訓にかわ」とを混同したもの ) 中国山東省阿県から産出する膠(にかわ)止血剤淋病出血の妙薬とされた。
    1. [初出の実例]「梅干黒焼 阿膠(アカハ) 松子(まつのみ)〈略〉以上十味等分に分煎じ用ゆ」(出典洒落本・青楼昼之世界錦之裏(1791))

あ‐きょう‥ケウ【阿膠】

  1. 〘 名詞 〙 中国山東省阿県から産出する上質の膠(にかわ)。接合用のほか止血剤、下痢止め、産前産後の薬として特に珍重された。あこう。
    1. [初出の実例]「びんたたらをあゆがせばこそ、あきゃうついたれ、やれこ、とうとう」(出典:綾小路俊量卿記(1514))

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「阿膠」の解説

あきょう【阿膠】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。動物の皮や骨を煮て作った膠(にかわ)のこと。止血利尿作用などがある。痔(じ)出血などの下血血尿などに効く芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)尿道炎腎(じん)炎に用いる猪苓湯(ちょれいとう)などに含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿膠」の意味・わかりやすい解説

阿膠
あきょう

漢方医学で用いるロバまたはウシの皮膚から製した膠(にかわ)。『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』の上品(じょうひん)に収載されており、古くから薬用とされた。阿膠の名は東阿の地(中国山東省東阿県)から良質のものが産したことから名づけられた。主としてロバあるいはウシの皮を煮て得られる。薬用には黄色で透明感のあるもの、黒色で漆のような光沢のあるものが良品とされる。コラーゲンと称される一種の硬タンパクが主成分で、止血薬として黄連(おうれん)阿膠湯、猪苓(ちょれい)湯などの処方に配合される。

[難波恒雄・御影雅幸]

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