「じんぞう」とも読まれ、中世、とくに室町・戦国時代に目だって活躍した僧体の軍使をさす。
前九年の役(1051~62)のとき、行方不明となった源頼義(よりよし)の身を案じた武将が「軍(いくさ)の中には僧にあらずば入り難し、と云(い)ひて、忽(たちま)ちに髪を剃(そ)りて僧となりて戦の庭をさして行」ったという話(『今昔物語』巻25ノ13)からも知られるように、僧侶(そうりょ)は世俗には無縁のものというわけで、戦場を自由かつ安全に行き来することができたので、大将の側近にあって敵方へ使者として派遣されたり、文書作成、情報収集などに従事したりした。
[横井 清]
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
… 時宗が中世社会のさまざまな面に与えた影響は大きい。その一つに陣僧があげられる。陣僧は従軍僧ともいうべきもので,武士に従って戦場に赴き,討死に際して念仏をすすめ,戦死者を弔い,負傷者の救助につとめた。…
…軍旅に従う僧侶,すなわち陣僧のこと。戦陣に僧侶をともなうことは古くからあったが,とくに南北朝内乱期からこの傾向が著しくなった。…
…幕府や大名から通行の自由を保証され,客寮というアジールも持った。また軍陣に従う陣僧(従軍僧)の時衆も出て,敵味方間を自由に往来し,戦死者には十念を授けた。遊行上人の過去帳には,浄財勧募のために生前に記帳することも行われた。…
※「陣僧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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