陽生植物(読み)ヨウセイショクブツ

デジタル大辞泉 「陽生植物」の意味・読み・例文・類語

ようせい‐しょくぶつ〔ヤウセイ‐〕【陽生植物】

耐陰性が弱く、光が十分に当たる場所によく生育する植物農作物ススキなどが含まれ、樹木は特に陽樹という。陽地植物。⇔陰生植物

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精選版 日本国語大辞典 「陽生植物」の意味・読み・例文・類語

ようせい‐しょくぶつヤウセイ‥【陽生植物】

  1. 〘 名詞 〙 耐陰性が弱く、陽光の十分にあたる場所に好んで生育する植物。樹木の場合は特に陽樹ということがある。⇔陰生植物

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「陽生植物」の意味・わかりやすい解説

陽生植物
ようせいしょくぶつ

日当りのよい場所によく生育する植物で、弱光下では耐陰性が乏しく、成長が阻害される。大部分の一年生植物、砂漠植物、高山の山頂部に生育する植物などが含まれる。典型的な陽生植物では陽葉のみで、陰葉をほとんど生じない。また、陽生植物は強光のもとでは物質生産速度が高い。一般に日当りのよい場所は風通しもよく、土地も乾燥するため、陽生植物は耐乾性の性質も兼ね備えている。

 陽生植物の代表的な種は、樹木ではアカマツ、シラカンバ、ヤシャブシ、アカメガシワ、クサギ、ウツギなど、草本植物ではススキ、シバタンポポ、ナズナ、ニシキソウ、エノコログサなどがあげられる。草原や日の当たる路傍に生える植物、耕作地の作物雑草などはほとんどが陽生植物である。

[奥田重俊]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「陽生植物」の意味・わかりやすい解説

陽生植物
ようせいしょくぶつ
sun plant

日照好み,日陰地では育ちにくい植物。日照量の少ない場所でもよく生育する陰生植物の対概念。樹木の場合には陽樹という。一般に陽生植物は,補償点が高く,陰生植物は 100~500lx(→ルクス)であるのに対して,陽生植物では 1000lx以上である。ただし,植物は多少の日照は必ず必要とするため,特に弱光に強い陰樹や陰生植物のほかは,大部分の植物が陽生植物的であるといえる。

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