陰生植物(読み)いんせいしょくぶつ(英語表記)shade plant

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

陰生植物
いんせいしょくぶつ
shade plant

日照量の少い場所でもよく生育できる植物を総称していう。日当りを好む陽生植物の対概念。概して葉は薄くて広く,弱い光を全面に受けて能率よく光合成を行う反面,呼吸量は少くてすむ。したがって,補償点は低くて,100~500lxである (陽生植物では 1000lx以上) 。強光下では水分の蒸散量が増すが,多くの陰生植物はこれによって枯死するほどではないから,ある程度の強光下でも生育できないわけではない。いわゆる陰樹も,こうした種類の植物 (条件的陰生植物) であるが,幼若時には強光によって枯死しやすいので,陽樹林が成立したあとでその林床に陰樹が生えてくることになる。

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大辞林 第三版の解説

いんせいしょくぶつ【陰生植物】

光が比較的少ない条件下でも生育しうる植物の総称。ブナ・シラビソなどの幼樹、森林内の草本類、シダ植物・コケ植物など。陰地植物。 ⇔ 陽生植物

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

陰生植物
いんせいしょくぶつ

樹林下などの日陰の場所でよく生育する植物。群落内では上層の葉層によって光を遮られ、しかも風通しもよくない。したがって空中湿度は高く、温度は低いままで、あまり変わらないという環境条件となる。陰生植物はこうした環境に適応するため、一般に陰葉が発達し、葉色は濃色で、茎は伸長し、目だたない花をつける植物が多く、いずれも弱光下で合理的な物質生産を行うことができる。代表的な種は、樹木ではアオキ、ヤブツバキ、ネズミモチ、ヒサカキ、アリドオシなど常緑広葉樹木が多い。草本植物ではカンアオイ、ジャノヒゲ、キチジョウソウ、フッキソウ、カンスゲ、イノデ、ヤブソテツなどの常緑植物や、ヤブマオ、ムカゴイラクサ、ドクダミ、ミズ、チャルメルソウなどがあげられる。コケ植物には陰生植物とよべる種がきわめて多い。[奥田重俊]

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