樹林下などの日陰の場所でよく生育する植物。群落内では上層の葉層によって光を遮られ、しかも風通しもよくない。したがって空中湿度は高く、温度は低いままで、あまり変わらないという環境条件となる。陰生植物はこうした環境に適応するため、一般に陰葉が発達し、葉色は濃色で、茎は伸長し、目だたない花をつける植物が多く、いずれも弱光下で合理的な物質生産を行うことができる。代表的な種は、樹木ではアオキ、ヤブツバキ、ネズミモチ、ヒサカキ、アリドオシなど常緑広葉樹木が多い。草本植物ではカンアオイ、ジャノヒゲ、キチジョウソウ、フッキソウ、カンスゲ、イノデ、ヤブソテツなどの常緑植物や、ヤブマオ、ムカゴイラクサ、ドクダミ、ミズ、チャルメルソウなどがあげられる。コケ植物には陰生植物とよべる種がきわめて多い。
[奥田重俊]
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