翻訳|shade tree
耐陰性が強くて陰地に生育できる木本植物。ふつう,若いときには強い光の下で生長することができないが,ある程度の樹高に達してからは,むしろ強い光を受けると生長がさかんになる。モミ,ヒノキ,オオシラビソなどの裸子植物や,ブナ,シイ,タブノキなどの被子植物などが代表的な例である。これらの樹種が森林に入りこむと,やがて他の樹種を圧倒して陰樹の林をつくり,その状態で安定する。したがって極相をつくるのは陰樹の林であり,原生林では陰樹が優先している。陰樹は陽樹に比べて最少受光量は小さく,ガス交換の補償点は低い。つまり,弱い光で光合成を行いうるのである。木本性の陰生植物の場合,幼時と生長後で光に対する対応のしかたが異なるのに対し,草本性の陰生植物は生涯を通じて直射光の下で生育できないので,陰樹とは区別される。
執筆者:岩槻 邦男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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