デジタル大辞泉 「隴を得て蜀を望む」の意味・読み・例文・類語 隴ろうを得えて蜀しょくを望のぞむ 《隴の地方を手に入れ、さらに蜀を攻めようとしたとき、曹操が司馬懿しばいに答えた言葉から》一つの望みを遂げると、次の望みが起こってきて、欲望には限度がないたとえ。望蜀。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「隴を得て蜀を望む」の意味・読み・例文・類語 ろう【隴】 を 得(え)て蜀(しょく)を望(のぞ)む ( 中国、魏の司馬懿(しばい)が隴の地方を平定し、勝ちに乗じて、蜀を攻め取ろうとしたとき、曹操が答えたことば ) 一つの望みを遂げて、さらにその上を望むことのたとえ。欲望には限りがないことのたとえ。望蜀(ぼうしょく)。[初出の実例]「隴を得て蜀を望むは夫(そ)れ人情の常なるかも」(出典:別れ霜(1892)〈樋口一葉〉二)[その他の文献]〔李白‐古風五十九首・詩其二三〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
故事成語を知る辞典 「隴を得て蜀を望む」の解説 隴を得て蜀を望む 一つの望みがかなうと、さらにその上を望みたくなることのたとえ。欲望には限りがないことのたとえ。 [使用例] 作中、個々の人物が、多少概念的であったり、輪郭がぼんやりしていたりするが、〈略〉今日の川口君に向っては隴を得て蜀を望む類たぐいであろう[岸田国士*新劇復興の兆|1932] [由来] 「後漢書―岑しん彭ほう伝」に載っている話から。一世紀、後漢王朝が創始されて間もないころの中国でのこと。隴(現在の甘かん粛しゅく省内)という地域をほぼ平定した光こう武ぶ帝ていは、「隴を平定したら、今度は南へ兵を進めて蜀(現在の四川省)の対立勢力を鎮圧したい」と考えました。そういうふうに野望がとどまることのないことを、ある部下に向かって、「『既に隴を平らげて復また蜀を望む(隴を平らげたと思ったら、今度は蜀が欲しくなる)』。軍隊を動かすたびに白髪が増えていくよ」と自嘲気味に語っています。 出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報 Sponserd by
ことわざを知る辞典 「隴を得て蜀を望む」の解説 隴を得て蜀を望む 一つの望みがかなうと、さらにその上を望むことのたとえ。欲望には限りがないことのたとえ。 [使用例] 隴を得て蜀を望むはそれ人情の常なるかも[樋口一葉*別れ霜|1892] [解説] 「隴」は、中国、甘粛省東南部の地。「蜀」は、四川省の別称。魏の武将、司し馬ば懿い(=仲達)が隴の地方を平定し、勝ちに乗じて、蜀を攻め取ろうとした時、主君の曹操がこう言ったという故事が「晋書―宣帝紀」や、「資治通鑑―漢紀・献帝」の建安二〇年の条に見えます。 [類句] 望蜀の願い 出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報 Sponserd by