翻訳|wattmeter
電気回路または負荷に消費される電力を測定する計器で,単相電力計,三相電力計がある。指示計器としては電流力計形が交直両用かつ直流で校正できるため多く用いられる。1対の固定コイルに電流,可動コイルに電圧に比例した電流を流すことにより,回転力を発生,直流の場合EI,交流の場合EI cosθの電力を指示させる。E,I,θは電圧,電流および電圧と電流の位相角である。精度は0.5%が限界である。三相電力計は2個の単相電力計の可動コイルを同一軸につけて指示させるものである。より精密な交流電力測定には,パルスの幅と高さを電圧,電流に対応させその積を求める時分割掛算方式の電流変換器を用い,直流電圧に変換,ディジタルボルトメーターを用いて指示させるディジタル電力計がある。精度は0.1%程度である。このほか,無効電力EIsinθを測定する無効電力計,最大需要電力を測定する最大需要電力計がある。高周波電力の測定では,ダイオードを用いて直流電圧に変換する方式,サーミスターに電力を吸収させ,温度上昇による抵抗変化を測定する方式,吸収体の温度上昇を熱電対で測定する方式などの電力計がある。
執筆者:平山 宏之
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直流あるいは交流の電力を測定する計器。電流力計型計器がもっとも多く利用されている。電流力計型計器は、一方が固定で他方が可動の二つの空心コイルの相互作用を利用しているが、電力計の場合は、その固定コイルに電流を流し、可動コイルには高抵抗を直列接続して電圧を印加し、電圧に比例した小電流を流すようになっている。可動コイルに発生するトルクは、これら二つのコイルに流れる電流の瞬時値の積に比例し、結局印加された電流と電圧の積に比例するので、印加電力が測定できることになる。
交流電力の測定にはデジタル電力計も用いられている。この計器には、乗算器によって電圧および電流信号を乗算し、電力に比例した信号を得てデジタル化して表示する方式のものと、電圧・電流信号をアナログ・デジタル変換器によってデジタル化し、コンピュータによって電力を計算し、デジタル表示する方式とがある。前者の方式でもっとも多く用いられているのは時分割乗算(パルス幅変調)方式で、その原理は、電圧の瞬時値を時間に変換し、その時間内に流れる電流の総量が時間と瞬時電流の積になること、したがって瞬時電力に比例することに基づいている。
[山崎修快]
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ワット計ともいう.広義には,電力測定用の指示計と積算計を総称していう.普通は前者を電力計,後者を積算電力計ということが多い.電力計は電流測定用固定コイルと電圧測定用可動コイルとを備え,指針は両コイルを流れる電流の積に応じて電力の瞬間値を示すようになっている.周波数誤差が小さいので,直流から数百サイクルの交流にわたって使用できる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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