日本大百科全書(ニッポニカ) 「電話情報サービス」の意味・わかりやすい解説
電話情報サービス
でんわじょうほうさーびす
テレホン・サービスともいう。電話による各種の案内情報サービス。1928年、アメリカでの時報サービスが最初。日本でも時報、天気予報、電話番号案内は東日本電信電話株式会社(NTT東日本)、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)によって行われている。これに対して、NTT以外の情報提供業者が、娯楽、レジャー、家事、ギャンブル、株価速報などの情報提供を行ったり、新聞社が電話ニュースのサービス(オフトーク通信=NTTの契約者回線の未使用時間を利用し情報を提供するサービス、スポーツ・ニュースなど)を行ったりするようにもなった。これらの多くは、電話代を払うだけで情報そのものは無料で聞けるものだが、プッシュホンとデータ通信の普及に伴い、プッシュ・ボタンによって信号入力し、中央のコンピュータやデータ・センターから技術計算や文献検索の結果を知らせてもらうというプッシュホン・サービスまで受けられるようになった。この場合は、情報の処理・取得の費用が必要となる。
1980年代になると、NTTは回線を使用する各種情報プロバイダーやサービス・プロバイダー(たとえばパーティ・ラインと称するチャット・サービス提供など)のために料金回収代行サービスを行うダイヤルQ2を開始、これは多様な電話情報サービスを叢生(そうせい)させたが、反面、料金徴収をめぐるトラブルも多発させた。90年代には、呼出し番号の頭の4桁(けた)が0120で始まる「フリー・ダイヤル」方式による電話での問い合わせサービス・情報案内サービスが全盛となった。2000年(平成12)になると、こうした多様なサービスが、液晶ディスプレーを装備した携帯電話端末を利用するシステム(NTTドコモの「iモード」が代表的)のうえで展開されるようになり、ここに至ると、電話情報サービスは、音声サービスのみの限界を超え、テキスト、図形、画像、映像による、総合的な電子情報サービスの世界に融合することとなった。
[桂 敬一]