日本政府の政府開発援助(ODA)予算で国際協力機構(JICA)が実施するボランティア事業。農業技術や教育などさまざまな分野で、発展途上国の社会や経済に寄与することが目的。1965年に始まり、今年7月末までに88カ国に4万1776人を派遣。派遣先はアフリカのマラウイが最多で1715人、フィリピンが1609人で続く。現在も70カ国で2053人が活動。応募資格は20~39歳で、派遣期間は2年間。2014年度の事業費は83億円。(マニラ共同)
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国際協力機構(JICA(ジャイカ))の事業の一つ。略称JOCV。1965年(昭和40)4月に外務省所管事業として始まり、実施は当時の海外技術協力事業団(1962年設立)にゆだねられていた。その後事業は国際協力事業団(1974年8月設立。現、国際協力機構)に受け継がれ、名称も現在の青年海外協力隊となった。
当事業は、日本の青年が自らの知識や技術を活用し、海外で開発途上国の人々とともに地域の社会や経済の発展に積極的に協力、貢献することを促進、支援するものである。協力隊員は、個々人の自発的なボランティアとして公募される。春と秋の年2回、一次(筆記)、二次(面接、健康診断)の試験が行われ、合格者は隊員候補生として訓練を経て、「青年海外協力隊の派遣に関する取極(とりきめ)」が締結された途上国の要請に基づき派遣される。1か月の現地訓練を受けてから、派遣国の政府機関の一員として配属され現地活動に携わる。彼らの活動は、国内・外の国際協力機構や協力隊によって支援される。活動は約200職種にわたり、発足から2013年(平成25)7月末までに、88か国に計3万8300人以上が派遣されている。なお、1990年(平成2)に、専門技術や知識をもっている年長の退職者が、自らの豊富な体験を海外で役だてるシニア海外ボランティア制度が発足し、2013年7月末時点で、71か国に累計5218人が派遣されている。
[秋山憲治]
『文遊社編集部編『俺たちの異郷――日本青年海外協力隊の記録』(1972・文遊社)』▽『桑原晨編『俺たちの異郷――日本青年海外協力隊の記録 第2部』(1973・文遊社)』▽『青年海外協力隊OB会著『青年海外協力隊――平和部隊と途上国援助』(1978・教育社)』▽『協力隊の歴史を語りつぐグループ著『これが青年海外協力隊だ――国際協力にかける青春』(1983・三修社)』▽『国際協力事業団青年海外協力隊事務局編・刊『青年海外協力隊の歩みと現状 その20年』(1985)』▽『青年海外協力隊事務局編『青年海外協力隊 地球サイズの青春』(1985・三修社)』▽『筒井光昭編『オールガイダンス青年海外協力隊』(1986・三修社)』▽『松浪健四郎編著『体育とスポーツの国際協力――君もなれる青年海外協力隊』(1991・ベースボール・マガジン社)』▽『青年海外協力隊北海道OB会編『きらめきの譜――青年海外協力隊の群像』(1995・毎日新聞社北海道支社)』▽『石橋慶子著『青年海外協力隊の虚像――天下りの温床』(1997・健友館)』▽『吉岡逸夫著『青年海外協力隊(ボランティア)の正体』(1998・三省堂)』▽『青木公著『OBはつらいよ 協力隊卒業生は、いま』(1998・国際協力出版会)』▽『もろしのぶ著『青年海外協力隊員になるには』(1999・ぺりかん社)』▽『国際協力機構青年海外協力隊事務局監修『青年海外協力隊ベストガイド――やってみよう国際協力』(2003・明石書店)』▽『山岸三郎他編著『ビジュアルガイド青年海外協力隊』全3巻(2005・汐文社)』
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…平和部隊の構想はとくにヨーロッパに広がり,西ドイツでは1963年に発足した。また日本でも65年から〈青年海外協力隊〉としてその任務を遂行している。【藤本 博】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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