非人情(読み)ヒニンジョウ

デジタル大辞泉 「非人情」の意味・読み・例文・類語

ひ‐にんじょう〔‐ニンジヤウ〕【非人情】

[名・形動]
他人に対する思いやりに欠けること。冷淡で人情がないこと。また、そのさま。「非人情な(の)人」
義理人情世界から超越して、それにわずらわされないこと。また、そのさま。夏目漱石が「草枕」で説いた境地
「―の天地に逍遥したいからのねがい」〈漱石草枕
[類語]冷たい冷ややか冷淡薄情不人情無情非情冷酷冷血酷薄クール無慈悲心無い血も涙も無い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「非人情」の意味・読み・例文・類語

ひ‐にんじょう‥ニンジャウ【非人情】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 人情にはずれること。他人に対するおもいやり、同情心などに欠けること。他人に対して冷たいこと。また、そのさま。不人情。薄情。〔和漢大辞典(1919)〕
  3. 世間一般の義理・人情を超越して、それにわずらわされないこと。また、そのさま。夏目漱石が説いたもの。超俗。
    1. [初出の実例]「すこしの間でも非人情の天地に逍遙したいからの願」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉一)

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