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非感染性腸炎 ひかんせんせいちょうえん Non-Infectious Enteritis

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家庭医学館の解説

ひかんせんせいちょうえん【非感染性腸炎 Non-Infectious Enteritis】

[どんな病気か]
 薬物による腸炎、寝冷えなど寒冷刺激による腸炎と、神経性、アレルギー性、暴飲暴食による腸炎、さらに虚血性腸炎(きょけつせいちょうえん)などがあります。
 ここでは、以上のなかから、代表的なアレルギー性腸炎、薬剤性腸炎、虚血性腸炎について解説します。
■アレルギー性腸炎
 特定の食物がアレルギーの原因となり、腸内で過敏症状を示すものです。下痢(げり)、嘔吐(おうと)、腹痛が一般的な症状です。乳幼児の場合、肛門(こうもん)周囲の発赤(ほっせき)がみられることもあります。また、じんま疹(しん)やぜんそく血圧低下をおこすこともあります。食物の摂取後2、3分から1時間で発症するタイプと、数時間から2、3日で発症するタイプに大きく分けられます。
■薬剤性腸炎
 薬物によって腸の粘膜(ねんまく)にびらんや潰瘍(かいよう)ができたり、栄養の吸収が障害されたり、虚血(血行不足)をおこして下痢や下血(げけつ)を生じるものです。また、抗生物質による腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)の変化やアレルギー反応によって下痢や下血をまねく場合もあります。
■虚血性腸炎
 突然の腹痛と数時間以内におこる鮮血がまじった下痢が特徴です。下行結腸(かこうけっちょう)に好発し、左の下腹部痛で発症するのが典型的です。高齢者に多くみられますが、強い便秘のある若い女性にもときにみられます。
[原因]
 アレルギー性腸炎の場合、三大アレルゲン(アレルギーをおこす原因物質)として、卵、牛乳、穀物が知られています。肉や魚などもアレルゲンとなることがあります。
 薬剤性腸炎の原因となる薬物は非ステロイド抗炎症薬や、抗生物質、ステロイドなどです。
 虚血性腸炎は、動脈硬化症(どうみゃくこうかしょう)、高血圧脳血管障害、糖尿病、心疾患などの疾患をもつ人に多く、さまざまの因子が影響して腸管の虚血をおこし、便秘などによる腸管内圧の上昇が発症の引き金になると考えられています。
[検査と診断]
 アレルギー性腸炎の診断にもっとも重要なのは病歴です。血液中の抗原(こうげん)に特異(とくい)的なIgE(免疫(めんえき)グロブリンE)を調べる血液検査がありますが、症状と必ずしも一致しない場合があります。そのほか、病歴で予想された抗原に対する皮膚反応をみる検査が行なわれます。
 薬剤性腸炎も薬の服用歴が診断の重要な手がかりです。抗生物質が原因の出血性大腸炎は急に発症する血性の下痢と腹痛が特徴で、ペニシリン系の抗生物質の使用後にみられることがあります。
 お年寄りや重い別の病気をもつ患者さんに、多種類の細菌に有効な抗生物質を使用すると、偽膜性腸炎(ぎまくせいちょうえん)がみられることがあります。内視鏡検査で大腸に偽膜が見つかれば診断がつきます。
 虚血性腸炎は、血液検査をすると白血球数の増加と炎症反応の上昇がみられますが、これはこの腸炎にかぎりません。注腸X線造影検査で腸管壁がのこぎりの刃状にみえたり、内視鏡検査で縦方向に伸びた発赤や潰瘍が腸管壁に見つかれば診断の助けになります。
[治療]
 アレルギー性腸炎では原因となる特定の食物を食べないようにします。ぜんそく、血圧低下など急激で重度の症状が現われた場合は救急処置が必要で、ステロイドや抗ヒスタミン薬が使われます。
 なお、幼児は成長とともに、また成人でも年月が経過するとアレルギーが自然に消失することがあります。
 薬剤性腸炎は、原因とみなされた薬剤の使用を中止するか、別のものに変更します。一過性の下痢は、腹痛に対する鎮痙薬(ちんけいやく)や輸液で治ります。偽膜性腸炎は、バンコマイシンの内服と全身管理が必要です。
 虚血性腸炎では、保存的治療が原則で、安静、絶食、補液を行ないます。
 虚血性腸炎の予防のためには、適度な運動を行ない、食物繊維を十分にとり、便秘にならないようにしましょう。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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