非職(読み)ヒショク

デジタル大辞泉 「非職」の意味・読み・例文・類語

ひ‐しょく【非職】

現職でないこと。また、その人。
「―になってから、元気がすっかりなくなって」〈花袋・妻〉
官吏が、地位はそのままで職務だけを免ぜられたこと。休職
「夫が―の部長上りか何かで」〈啄木鳥影

ひ‐しき【非職】

寺院神社で、役職にない僧侶神官
非蔵人ひくろうど1

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精選版 日本国語大辞典 「非職」の意味・読み・例文・類語

ひ‐しき【非職】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ひじき」とも )
  2. ひくろうど(非蔵人)禁秘鈔(1221)〕
  3. 寺院・神社で、所帯の職のない僧侶や神官。役職にない僧侶や神官。
    1. [初出の実例]「補供僧事、不有職・非職、只住山之輩堪其器者、可撰補者也」(出典高野山文書‐永暦元年(1160)二月一九日・美福門院令旨)
  4. 聖俗を通じて、ある職につくことのできる者に対して、員外の無資格者の総称
    1. [初出の実例]「去元亨参年十月十日止非職甲乙人伝領之儀、付保務可管領之由、就拝領綸旨」(出典:八坂神社文書‐正中三年(1326)二月一三日・法眼顕増和与状)

ひ‐しょく【非職】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 官職がないこと。現職にいないこと。また、その人。ひしき。〔音訓新聞字引(1876)〕 〔韓愈‐豊陵行〕
  3. 官吏が、身分・地位はそのままで、職務だけ免ぜられること。また、その人。非役。休職。〔五国対照兵語字書(1881)〕
  4. ひしき(非職)

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