動点 P が定点 O のまわりを周回運動するとき,動径 がつくる面積 S の時間変化率 dS/dt をいう。扇形速度ともいう。平面運動の場合には,点 O を原点として動点 P の極座標を (r,θ) とすれば,面積速度は次式で与えられる。 惑星が太陽に向う万有引力を受けて楕円軌道を運動するとき,太陽のまわりの面積速度は一定である (→ケプラーの法則 ) 。一般に,面積速度はベクトルであって,原点 O に関する動点の位置ベクトルを r ,速度を v とするとき,面積速度は次式で与えられる。 ここで,m は動点の質量,l は r×mv で,原点に関する角運動量である。動点が原点 O を通る任意の中心力を受けて運動するとき,その面積速度 dS/dt は時間 t に関係なく一定であり,これを面積速度の保存則という。この保存則は角運動量 l の保存則と同じ意味をもつ。