須川温泉(読み)すかわおんせん

日本歴史地名大系 「須川温泉」の解説

須川温泉
すかわおんせん

[現在地名]一関市厳美町

一関市の西端にある。栗駒くりこま(須川岳・大日岳)の背面の硫黄山の下から湧出する湯を樋でつるぎ岳北西麓の温泉場に引く。浴場からの湯尻は磐井いわい川水源の一。この湯尻は正保元年(一六四四)まで西方出羽秋田藩領側に流れていたが、水田への流入をおそれた出羽雄勝おがち檜山台ひやまだい(現秋田県雄勝郡東成瀬村)の高橋大学が、ある夜栗駒山に登り流路を掘って湯尻を東方に回したと伝え(菅江真澄「雪の出羽路」)、以後栗駒山・温泉とも出羽分から陸奥の仙台藩領分に代わったという(「御境目巡視記録」一関市史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「須川温泉」の意味・わかりやすい解説

須川温泉
すかわおんせん

岩手県南西端、一関市(いちのせきし)にある国民保養温泉地。栗駒山(くりこまやま)(須川岳)の北西八合目の標高1100メートルにある。湯量が多く、泉質は含鉄泉栗駒国定公園域内にあり、付近には天然蒸し風呂(ぶろ)、ブナ原生林があり、高山植物も多い。栗駒山頂へは約1時間半の行程。宿泊施設も整備され、JR東北本線一関駅からバスが通じる。

[川本忠平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「須川温泉」の意味・わかりやすい解説

須川温泉
すかわおんせん

岩手県南西部,一関市西端,秋田と宮城の県境近くにある温泉。栗駒国定公園に含まれ,栗駒山 (1626m) の山頂近くの標高約 1100mにあり,日本屈指の高山温泉。豊富な湯を湧出し,泉温は 50~70℃,泉質は含硫化水素酸性緑礬泉で,消化器系に効能があるといわれる。千人風呂などがあって湯治の客が多い。栗駒山の登山基地。 JR東北本線,東北新幹線一関駅よりバスの便がある。

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