共同通信ニュース用語解説 「食品表示法」の解説
食品表示法
消費者が安全性などを判断して食品を選択できるようにするため、表示の基準を定めた法律。食品を「生鮮食品」「加工食品」「添加物」に分け、その区分ごとに基準を設けている。加工食品は「麦類」「酪農製品」など25に分類されている。この分類を商品に記載する必要はなく、名称や消費期限、原材料名、内容量などの表示を義務付けている。
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消費者が安全性などを判断して食品を選択できるようにするため、表示の基準を定めた法律。食品を「生鮮食品」「加工食品」「添加物」に分け、その区分ごとに基準を設けている。加工食品は「麦類」「酪農製品」など25に分類されている。この分類を商品に記載する必要はなく、名称や消費期限、原材料名、内容量などの表示を義務付けている。
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消費者が安全で身体によい食品をわかりやすく選べるように、食品の安全性や機能性に関する表示について定めた法律。平成25年法律第70号。それまで食品衛生法、JAS法、健康増進法の3法で規定していた食品表示に関する法令を統合し、2015年(平成27)4月に施行された。食品の偽装・不当表示や中国製冷凍ギョウザの中毒事件などが相次いだため、消費者庁(2009年発足)主導で制定された。食品の表示方法や用語を統一し、表示の必要性が高い項目(名称、アレルゲン、保存方法、消費期限、原材料、添加物、栄養成分の量・熱量、原産地、原産国など)の表示基準を明確化した。
原料の原産地表示について、すべての生鮮品、輸入食品、一部の加工食品(魚の干物、餅(もち)、緑茶、乾燥きのこ類など22食品群およびウナギ加工品、漬物、削り節、野菜冷凍食品、おにぎりの5品目)に義務づけ、生鮮品のうち国産農産物は都道府県名、国産水産物は水域・地域名を記す必要がある。2017年9月から、国内で製造したすべての加工食品に、重量割合がもっとも大きい原材料の原産地表示を義務化し、2022年4月から完全施行とする。原産地の国名を、原材料に含まれている重量順に「米国産、カナダ産、中国産」などと表示し、日本産なら「国産」と表示する。例外として「米国産またはカナダ産」と可能性のある国の併記や、3か国以上をまとめて「輸入」と記すことも認めた。アレルギー物質の表示では、乳・卵・小麦・そば・落花生・エビ・カニの特定原材料7品目の表示を義務づけ、鶏肉、大豆、イカ、オレンジ、サバなど20品目の表示を推奨した。栄養成分については、原則すべての加工食品に任意であった熱量、タンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量の表示を義務化した。消費者庁に届け出て一定の科学的条件を満たせば、「骨の健康を保つ」「肥満予防に効果がある」など、どのような効果があるかを示す機能性表示が可能となった。これにより特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品に次ぐ、第3の健康食品である「機能性表示食品」が誕生した。消費者の安全に影響を及ぼす表示違反を行った業者には、国が回収や業務停止を命じる。回収命令に従わない事業者(法人)には罰金3億円以下、原産地を偽装した食品販売業者(法人)には1億円以下の罰金を科し、食品衛生法の最高罰金1億円から大幅に厳しくなった。国が認めた17の適格消費者団体(2018年2月時点)が被害者にかわって差止請求できる消費者団体訴訟制度が食品表示についても適用される。なお消費税引上げ(2019年10月)に伴い実施される軽減税率の対象となる食品は、食品表示法で規定された飲食料品に限られる。
[矢野 武 2018年7月20日]
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