消費者行政を統一的に進めるために設置された内閣府の外局で、職員は非常勤を含め約500人。シンドラーエレベータ社製のエレベーター事故や、中国製ギョーザ中毒事件などが起きた際、縦割り行政で対応が後手に回った反省から2009年9月に発足した。問題がある業者への立ち入り調査や処分を実施するほか、消費者保護に関連する制度を企画・立案する。
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各省庁でばらばらであった消費者行政を一元的に担う役所。「消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現」を目ざし、2009年(平成21)9月に内閣府外局として発足した。中央省庁の行政を明治以来の生産者優先から、消費者重視へ転換する目的もある。複数の省庁から業務を移して新たな外局を設けるのは、1971年(昭和46)の環境庁(現環境省)以来のこと。
ガス瞬間湯沸かし器によるガス中毒事件や、中国製冷凍餃子(ギョウザ)による食中毒事件など、生命にかかわる重大情報が国民へ迅速に伝わらなかった反省から、当時の内閣総理大臣福田康夫(やすお)が2008年の施政方針演説で構想を表明。2009年に消費者庁設置法など関連法案が成立した。内閣府、経済産業省、農林水産省、公正取引委員会など関係省庁から約200人の職員を集めて発足。特定商取引法、日本農林規格(JAS)法、景品表示法など暮らしに密着した29の法律を所管し、行政処分・指導や他省庁への勧告を実施する。
全国共通の電話番号で、事故情報や悪質商法の相談を受け付ける「消費者ホットライン」を設置、事故情報を集約するデータバンクを設ける。専門家が要注意情報を抽出する「事故情報分析ネットワーク」も整備し、年間最大3兆円を超えるといわれる消費者被害の減少を目ざす。これらは自治体の相談窓口と連携し、全国規模で行われる。消費者庁とは別に、消費者庁や消費者行政の監視機関として「消費者委員会」も同時発足し、内閣総理大臣への勧告権限などをもたせた。
[編集部]
(金谷俊秀 ライター / 2008年)
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