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消費者団体訴訟制度 しょうひしゃだんたいそしょうせいど

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知恵蔵2015の解説

消費者団体訴訟制度

事業者が消費者に不利益や危害を加えたり、その恐れのある場合に、消費者の利益を保護するために消費者団体に提訴権・原告適格を与える制度。2006年5月に成立した改正消費者契約法で創設され、07年6月に施行される。

(篠崎悦子 ホームエコノミスト / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

消費者団体訴訟制度

事業者の不当行為に対して、政府の認定を受けた「適格消費者団体」が、消費者個人に代わって裁判所に差し止め請求を起こせる制度。その第1弾として今年6月、消費者契約法に導入された。従来、悪質商法などで多数の被害者が出ても個々の被害額が少ないと泣き寝入りするケースが多かったが、同制度で消費者団体が前面に立って悪質商法などを監視できる効果を持つと言える。

(2007-07-13 朝日新聞 朝刊 2経済)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

しょうひしゃだんたい‐そしょうせいど〔セウヒシヤダンタイ‐〕【消費者団体訴訟制度】

消費者契約法に違反する被害が生じた際に、個人に代わって認定を受けた消費者団体(適格消費者団体)が不特定多数を代表して行為差し止め請求などを行使できる制度。平成18年(2006)成立の改正消費者契約法で導入された。

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監修:松村明
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

消費者団体訴訟制度
しょうひしゃだんたいそしょうせいど

一定の条件を満たす消費者団体(適格消費者団体)に、不特定多数の消費者の利益を擁護するため、事業者の不当な行為に対する差止請求権を認める制度。2006年(平成18)5月に改正された消費者契約法により導入された(2007年6月施行)。団体訴権制度ともいう。
 近年、悪徳商法などによる消費者被害が急増しており、一つの事業者が不当な行為を繰り返すことにより被害が拡大したケースが多数発生している。しかし、個々の消費者が訴訟を起こすことは交渉力・金銭・時間等の問題で困難であり、多くの被害者は泣き寝入りを余儀なくされてきた。そこで被害の発生・拡大を防止するため、被害を受けた消費者にかわって消費者団体が不当な事業者を訴えることができることとした。なお、EU(ヨーロッパ連合)では加盟国に対し消費者団体訴訟制度導入の方向を示す「消費者契約における不公正契約条項に関する指令」(1993)、「消費者利益の保護を目的とする差止請求に関する指令」(1998)などが出され、多くの国で同様の制度が導入されている。[編集部]

適格消費者団体

不当な事業者を提訴できる消費者団体(適格消費者団体)は、(1)特定非営利活動法人または公益法人であること、(2)不特定多数の消費者の利益擁護のための活動を主たる目的とし、相当期間、継続的な活動実績があること、(3)組織体制や業務規程が適切に整備されており、経理的基礎を有すること、(4)理事会の構成および決定方法が適正であること、(5)消費生活の専門家および法律の専門家がともに確保されていること、などの適格要件を満たし、内閣総理大臣に認定を受けていなければならない。適格消費者団体の適格性を認定後も維持するため、内閣総理大臣による監督措置が講じられている(認定の有効期間は3年)。[編集部]

差止請求の対象になる行為

適格消費者団体は、事業者等が不特定かつ多数の消費者に対して、以下のような不当な勧誘行為や契約条項の使用を行った場合は、当該行為の差止請求をすることができる。
(1)不当な勧誘行為 不実告知(重要な項目について事実と違う説明する)、断定的判断の提供(将来の変動が不確実なことを断定的に説明する)、不利益事実の不告知(利益になることだけを伝え、不利益になることは言わない)、不退去(消費者の自宅等で、消費者が帰ってほしいと告げているのに帰らない)、監禁(事業者の販売店等で、消費者が帰りたいと告げているのに帰さない)など
(2)不当な契約条項の使用 事業者の損害賠償責任を免除・制限する条項、消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項(消費者が解約した場合に支払い済の代金を一切返金しないとする条項、消費者が支払うべき違約金等の額を過大に設定する条項など)、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する条項など
なお当制度では、事業者の業務自体の停止や損害賠償の請求は求めることはできない。[編集部]

差止請求の流れ

消費者被害が発生した場合、まず適格消費者団体と当該事業者との間で裁判外の交渉が行われる。この交渉が成立した場合は和解(解決)となるが、成立しなかった場合は、適格消費者団体は、訴訟に先だち、まず事業者に書面で差止請求を行う。1週間の猶予期間中に業務改善された場合は和解となるが、改善されない場合は管轄裁判所に差止請求を行うこととなる。裁判で差止請求が認められたのにもかかわらず、事業者が不当行為を停止しない場合は、判決で差止命令が出される。事業者が命令に従った場合は和解となるが、命令に従わない場合は、強制執行となり、事業者は一定額を適格消費者団体に支払わなければならない。適格消費者団体は、裁判外の交渉から和解・判決までのあらゆる段階で、その内容について他の適格消費者団体および内閣総理大臣へ通知・報告することが義務づけられている。また内閣総理大臣、国民生活センターは判決等に関する情報をインターネット等で国民に広く公表しなければならない。[編集部]
『内閣府国民生活局消費者企画課編『逐条解説 消費者契約法』新版(2007・商事法務) ▽松本恒雄・上原敏夫著『Q&A消費者団体訴訟制度』(2007・三省堂) ▽山口康夫著『消費者契約法の解説』3訂版(2008・一橋出版) ▽佐々木幸孝・齋藤雅弘・安藤朝規編『ガイドブック消費者契約法』(2008・法学書院)』

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