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軽減税率 けいげんぜいりつ

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知恵蔵miniの解説

軽減税率

標準税率より低く抑えられた税率のこと。低所得者の相対的な負担割合を緩和する効果がある一方で、対象品目の線引きが難しいなどの課題もある。日本の消費税にあたる付加価値税をいち早く導入した欧州では、食料品などに軽減税率を設け、消費者の税負担を軽くしている。2013年1月現在、日本では軽減税率は導入されていないが、消費税増税に伴い、食料品などの生活必需品への同税率の適用について議論が進められている。

(2013-1-16)

出典|(株)朝日新聞出版発行
(C)Asahi Shimbun Pubications Inc
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知恵蔵2015の解説

軽減税率

税制上何らかの理由で、一般的に課される標準的な税率よりも、特定のものについてだけ低く設定される税率のこと。日本では、2017年4月に一般消費税の税率が8%から10%に引き上げられる予定であるため、低所得者層の負担軽減などの観点から、食料品などの生活必需品について軽減税率を適用することが求められている。
日本では、1989年に消費税が導入されて以来、ほぼ全ての商品やサービスについて同一の消費税率が適用されてきた。一部の地代、保険料、学校教育に要する授業料など消費になじまない品目について、例外的に非課税とされたものもあるが、消費税についての軽減税率は存在しなかった。しかしながら、消費税は消費に伴って課される。また、所得が低いほど、高所得層に比べて所得のうち消費に使われる割合が大きいと考えられる。このため、低所得層に、より重い負担を強いる逆累進的な税制であるとされている。
日本では税負担の公平性という観点から、所得税は高所得層により高い負担を求める累進課税となっており、法人税も一定規模以下の中小企業には軽減税率を定めている。また、EUを始めとする先進諸国では20%内外の付加価値税が課されているが、食料品などについては軽減税率が適用されている場合が多い。こうしたことから、与党内でも消費税を10%に増税するのに伴って軽減税率を実現すべきとの声がある。消費税増税1%当たり税収増2兆円といわれるなか、軽減税率に反対する意見の強い政府税制調査会の調べでも、米、みそ、しょうゆの3品目を減免すると、税率1%当たり200億円、酒と外食を除く全ての食料品を減免しても税率1%当たり6300億円に過ぎないとされる。
増税による負担の増加に対して、国民の大多数は軽減税率の実施を望んでいる。このほか、新聞や出版物に対して軽減税率適用を求める声もある。その一方、徴収義務者である事業者からは税率が複雑化することによる事務負担の増大を懸念する声がある。また、国税当局などによれば減免範囲の設定が困難であり、税務執行面からも単一税率を維持することが好ましいとの意見も出ている。

(金谷俊秀 ライター/2015年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

軽減税率

暮らしに欠かせない食品などに課す消費税率を低く抑える措置。安倍晋三首相は2017年4月の消費税率引き上げと同時に導入する方向で議論するよう指示。自民党公明党が軽減対象の品目などを協議している。

(2015-11-20 朝日新聞 朝刊 オピニオン1)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

けいげん‐ぜいりつ【軽減税率】

本則の税率より低く設定された税率のこと。税制上の特例措置として、課税の対象となるものや納税者層を限定したり、期限を設けたりして導入される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

軽減税率
けいげんぜいりつ
reduced tax rate

政策的目的により税負担を軽くするため、標準税率より低い税率を適用すること、また適用される低い税率。中小企業、特定地域、特定品目などを保護する目的で、法人税、酒税、関税などに幅広く適用されているが、日本では消費税の軽減税率をさすことが多い。一般に所得が低い人ほど所得に占める消費割合が高くなる傾向にあり、また、消費税の税負担感が重くなる逆進性があるとされているため、低所得層の税負担を和らげる目的で世界の多くの国々が生活必需品の消費税に軽減税率を適用している。日本では2016年度(平成28)の与党税制改正大綱で、消費税率が8%から10%に上がる2017年4月から、初めて消費税に軽減税率を導入することが決まった。対象品目は外食・酒類を除く飲食料品と新聞(週2回以上発行されている定期購読契約紙)で、適用される軽減税率は8%。軽減税率導入で複数税率が並存して事業者の経理処理が煩雑になるため、2017年4月から納税事務負担を軽くする「みなし課税」方式や「簡易課税」制度を認めることを決定。しかしみなし課税や簡易課税は益税を膨らませるおそれがあり、徴税を確実にするため政府は2021年4月から、商品ごとの税率や税額を記載して売り手が買い手に発行する適格請求書インボイス、税額票)を導入する予定である。
 世界においてはイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデンなどヨーロッパ連合(EU)の大半の国々のほか中国、メキシコ、オーストラリア、カナダなどで、日本の消費税に相当する付加価値税に軽減税率が導入されている。これらの国々のほとんどで付加価値税の標準税率が10%台~20%台と高めに設定されており、食料品、水、光熱費、医薬品、住宅、新聞・書籍、旅客運賃、宿泊などに軽減税率が適用されている。たとえば2015年1月時点でイギリスの標準税率は20%であるが、食料品や医薬品の軽減税率は0%、光熱費は5%などとされている。ただし食料品でもキャビアなどのぜいたく品には標準税率を課す国もあり、軽減税率の適用にあたっては適用品目の線引きがむずかしいという問題がある。なおイギリス、フランス、ドイツなどのヨーロッパ各国はインボイスを導入済みである。[矢野 武]

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