飾り太刀(読み)カザリタチ

デジタル大辞泉 「飾り太刀」の意味・読み・例文・類語

かざり‐たち【飾り太刀】

節会せちえ御禊ごけい行幸などのとき、五位以上の官人束帯につけた儀仗ぎじょう用の太刀さや紫檀したんじんなどで作り、蒔絵まきえ金銀で飾った。かざたち。

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精選版 日本国語大辞典 「飾り太刀」の意味・読み・例文・類語

かざり‐たち【飾太刀】

  1. 〘 名詞 〙 兵仗(ひょうじょう)勅許高官が、節会(せちえ)御禊(ごけい)、行幸などの盛儀の時、束帯に佩(は)儀仗の太刀。奈良時代の唐太刀(からだち)様式を継承し、玉石類をちりばめた長金物(なががなもの)で飾るのを特色とする。長金物を省略した飾太刀代(かざりたちだい)に対して如法(にょほう)の太刀ともいう。かざたち。
    1. 飾太刀
      飾太刀
    2. [初出の実例]「而道麻呂佩刀触門屏折。和気即遺以装刀」(出典:続日本紀‐天平神護元年(765)八月庚申)
    3. 「めでたきもの 唐錦。かざりたち」(出典:枕草子(10C終)八八)

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百科事典マイペディア 「飾り太刀」の意味・わかりやすい解説

飾太刀【かざりたち】

餝太刀,飾剣とも記す。〈かざたち〉ともいう。節会(せちえ),大嘗会,行幸等の盛儀のときに束帯に佩(は)く最上級の儀仗の太刀。鞘(さや)をシタンなどでつくり,金銀,螺鈿(らでん)など華麗な装飾を施したもの。平安時代からあり江戸時代まで続いた。《延喜式》には五位以上が佩用(はいよう)を許されるとある。
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