香川漆器(読み)かがわしっき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「香川漆器」の意味・わかりやすい解説

香川漆器
かがわしっき

香川県高松市を中心に産する漆器高松漆器ともいう。開祖玉楮象谷 (たまかじぞうこく) で,主として彼の試みた以下の技法が継承されている。すなわち,(1) 堆朱 (ついしゅ) ,堆黒,紅花緑葉などの彫漆,(2) 木彫の上に彩漆 (いろうるし) を塗る讃岐彫,(3) 網代の素地 (→籃胎漆器〈らんたいしっき〉) に漆を塗り,その面に彫刻刀で文様彫り,凹部に彩漆を埋めて文様を表わすキンマ (蒟醤) ,(4) (3) の彩漆の上に刀で毛彫する存星,(5) 木地べんがら (弁柄) 漆を塗って,マコモ (真菰) で渋みをつける象谷塗 (ぞうこくぬり) など。そのほかに後藤太平の創案になる後藤塗などがある。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「香川漆器」の解説

香川漆器[漆工]
かがわしっき

四国地方、香川県の地域ブランド。
主に高松市などで製作されている。江戸時代に高松藩主が漆器づくりを奨励したのが讃岐での漆器づくりの始まり。その後、玉楮象谷が江戸時代後期にタイや中国から伝わった漆器技法に日本古来の技法を加え、新しい技法を開発。蒟醤・存清・彫漆・象谷塗・後藤塗など多岐にわたる技法が確立され、室内調度品や小物類など多様な製品がつくられるようになった。香川県伝統的工芸品。1976(昭和51)年2月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。

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デジタル大辞泉プラス 「香川漆器」の解説

香川漆器

香川県高松市などで生産される漆器。江戸時代に高松藩主が奨励したのが始まり。国指定伝統的工芸品。

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世界大百科事典(旧版)内の香川漆器の言及

【玉楮象谷】より

…1830年(天保1)藩主松平頼恕(よりひろ)より製作を命ぜられて以来,松平家に仕え,玉楮の姓を授かった。藩を代表する漆芸品として,将軍や大名への進物に利用されるなど名声を博し,また象谷塗,讃岐彫とよばれたその作品は,今日の香川漆器の源流となった。【郷家 忠臣】。…

※「香川漆器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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