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籃胎漆器 らんたいしっき

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

籃胎漆器
らんたいしっき

漆工芸品の一種。竹を裂いて薄く削って編んだ素地すなわち籃胎 (籃は竹で編んだ籠) に,漆を塗り重ねた器物。遺例として中国,戦国時代,漢代の楽浪郡古墳の出土品,日本の縄文時代末期の青森県是川発掘のものが知られている。タイのキンマは籃胎を主とする漆工品。日本では現在,久留米,別府が産地で高松の象谷塗 (→香川漆器 ) も籃胎を用いている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

籃胎漆器

薄い竹ひごを編んで作った竹細工に何重も漆を塗り重ね、磨いたもの。明治初期、元久留米藩の刀の鞘(さや)塗り師がつくったとされる。「竹かごを母胎にした漆器」として名がついたという。県知事指定の特産工芸品。

(2009-12-26 朝日新聞 朝刊 筑後 1地方)

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世界大百科事典 第2版の解説

らんたいしっき【籃胎漆器】

竹を編んで素地とした漆器。丈夫で軽く変形が少ない。中国で早くから発達し,朝鮮の楽浪彩筐塚出土の〈人物漆絵竹筐〉は有名。日本でも縄文時代から遺品があり,山王囲遺跡(宮城県)出土の断片の一つは復原すると径30cm以上の鉢になる。是川遺跡(青森県)からはほぼ完形の深鉢が出土するが,漆地粉で目留めし,弁柄(べんがら)漆を塗る技法は編み方も含めて現代の技法と変りない。縄文晩期の櫛(くし)も多くは籃胎で,合理的で特殊な製法を見せる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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食器・調理器具がわかる辞典の解説

らんたいしっき【籃胎漆器】

竹を編んだものを素地(きじ)とし、これに漆(うるし)を塗り、乾燥後に研ぎ出す工程を繰り返して作る漆器。漆を塗る際には、竹の編み目をいかす方法と、編み目を塗りつぶした上に別の装飾を加える方法があるが、福岡県久留米市などで作られるのものは前者が多く、香川県高松市で作られるものは後者が多い。◇現在、籃胎漆器の多くは中国などからの輸入品で、国産のものは希少。

出典|講談社
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

籃胎漆器
らんたいしっき

漆加飾技法の一種。籠地(かごじ)ともいう。表皮をとってから薄く裂いた竹幹や、つる植物などを編んでつくった器形を籃胎というが、それに漆を塗ったもの。特殊なものに一定幅の竹ひごを巻き上げたり、同心円状に輪(わ)積みしたものもある。その歴史は古く、朝鮮半島の平壌近郊、楽浪古墳群の彩篋(さいきょう)塚出土の人物画像漆彩篋はメダケを細く割ってつくった後漢(ごかん)(1~3世紀)時代のものである。日本の縄文晩期の是川(これかわ)遺跡や亀ヶ岡遺跡からの出土品には、竹ひごを編んだ籠地のほか、アケビやマフジのつるを用いたものもある。正倉院の漆胡瓶(ぬりのこへい)は巻き上げか輪積みの胎地という説がある。タイやビルマ(現ミャンマー)で蒟醤(きんま)として盛行したが、それが近世に渡来して、とくに茶人に好まれ、茶道具に使用された。江戸末期、高松藩の玉楮象谷(たまかじぞうこく)はその影響を受けて数々の名品を残し、高松塗として現在にその技術を継承している。明治以降、久留米(くるめ)をはじめ、それを模倣した別府などでも生産している。[郷家忠臣]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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