高三隆達(読み)タカサブリュウタツ

デジタル大辞泉 「高三隆達」の意味・読み・例文・類語

たかさぶ‐りゅうたつ【高三隆達】

[1527~1611]室町末期・安土桃山時代日蓮宗の僧。堺の人。日本に渡来した宋人子孫で、書道連歌音曲などに非凡な才能発揮諸種の音曲を折衷して独特の隆達節を創始し、庶民の間に流行させた。

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朝日日本歴史人物事典 「高三隆達」の解説

高三隆達

没年:慶長16.11.25(1611.12.28)
生年大永7(1527)
安土桃山時代の流行歌謡,隆達節の創始者。堺の薬種商,隆喜の末子。若くして仏門に入るが,兄の没後(1590)還俗し,若年の甥の後見として家業に携わった。連歌,禅法,書画にも優れたが,天性美声により当時流行していた小歌の名手として知られ,信長秀吉にも召されたと伝えられる。自らも小歌を作詞し,独自の節付けをして,隆達節を作り上げた。これは扇拍子,一節切(尺八)や小鼓の伴奏で歌われるもので,文禄・慶長(1592~1615)のころ盛行した。のちの歌謡にも影響を与えたが,曲節は現在には伝わらない。歌詞は4句以下の短いものが多く,恋の歌が大半を占めている。

(吉田真由美)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「高三隆達」の解説

高三隆達 たかさぶ-りゅうたつ

1527-1611 織豊-江戸時代前期の音曲師。
大永(たいえい)7年生まれ。高三隆喜の末子。隆達節創始者。和泉(いずみ)(大阪府)堺の薬種商の家に生まれる。幼時に出家して日蓮宗顕本寺にすむ。のち還俗(げんぞく)し,家をついだ甥(おい)を後見した。小歌の名人として知られ,さまざまな音曲を折衷して隆達節をあみだした。また連歌や書画にもすぐれ,書は堺流とよばれた。慶長16年11月25日死去。85歳。号は自庵。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「高三隆達」の解説

高三隆達
たかさぶりゅうたつ

隆達(りゅうたつ)

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の高三隆達の言及

【隆達節】より

…近世初期,隆達(1527‐1611)が節付けした歌謡。単に隆達または隆達小歌,隆達の歌などともいう。隆達は泉州堺の生れ,高三(たかさぶ)を姓とする。その祖先は漢人の劉氏と伝え,1174年(承安4)来日して博多に住し,帰化して高(たか)三郎兵衛を称し,代々この名を用いた。北朝の貞治(1362‐68)ころ,9代三郎兵衛道玄のときに堺に移住,薬種と交易を業とし,このころ高三と通称して苗字とした。隆達は隆喜の末子で,早くから僧籍に入り,高三家の菩提寺,堺の顕本寺(けんぽんじ)(法華宗)内に自在庵を営み,自庵隆達と号した。…

※「高三隆達」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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