ベネチア楽派(読み)べねちあがくは(英語表記)scuola veneziana イタリア語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベネチア楽派」の意味・わかりやすい解説

ベネチア楽派
べねちあがくは
scuola veneziana イタリア語
Venetian school 英語

16世紀に、ベネチアサン・マルコ大聖堂を中心に活躍した音楽家たちの総称。1527年にフランドル出身の作曲家ウィラールトがベネチアのサン・マルコ大聖堂楽長に就任して以来、ここでは大聖堂の特殊な構造を利用したコーリ・スペッツァーティ(分割合唱)とよばれる独特の典礼音楽が開拓されたが、次の楽長のデ・ローレ、その次の楽長のツァルリーノ時代にそれが定着し、さらに、ここのオルガン奏者を務めたメルーロやアンドレア・ガブリエリらの手で、新しい器楽曲も生み出されていった。16世紀の終わりごろには、器楽伴奏付きの分割合唱による典礼音楽の演奏が一般的となり、オルガン奏者のジョバンニ・ガブリエリが作曲した音楽が盛んに演奏されて、ベネチア楽派最盛期を迎えた。

[今谷和徳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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