高山陣屋(読み)たかやまじんや

日本の城がわかる事典 「高山陣屋」の解説

たかやまじんや【高山陣屋】

岐阜県高山市にあった江戸幕府代官所、飛騨郡代の陣屋。国指定史跡。建造物が唯一現存する江戸時代の陣屋である。1588年(天正16)に高山城(高山市)を築いた金森長近は1600年(慶長5)の関ヶ原の戦いの後、飛騨高山藩の初代藩主として飛騨高山一帯を領有した。しかし、江戸幕府は1692年(元禄5)、第6代藩主金森頼時を出羽国(山形県)上山藩へ国替えし、旧藩領を天領(幕府直轄領)とした。これは、豊富な山林資源と金・銀・銅・鉛などの地下資源に着目したことによると思われている。これにともない、高山城は廃城となった。天領となった旧飛騨高山藩領の代官には、関東郡代と兼任した伊奈忠篤(ただあつ)が就任した。忠篤は旧藩主金森家の下屋敷(向屋敷)を陣屋として代官所を置き、天領の経営にあたった。その後、幕府は1777年(安永6)、高山の代官を郡代(比較的広い幕府領を経営する代官、郡(こおり)奉行ともいう)に昇格させている。ちなみに、飛騨郡代は、江戸時代に4ヵ所設置された郡代の一つである。高山陣屋は明治維新を迎える1868年(慶応4)までに、歴代25人の代官・郡代が拠点として飛騨の経営に当たった。明治の廃藩置県高山県が成立したが、その県庁舎には旧高山陣屋が使われた。その後もさまざまな公共機関の庁舎として使われ、戦後も1969年(昭和44)まで、岐阜県事務所として利用されていた。この間、1929年(昭和4)に国史跡に指定されている。その後、唯一現存する江戸時代の陣屋であることから文化財として保存する方針が決定し、1996年(平成8)に16年の歳月をかけて江戸時代の状態への修復復元が終了した。JR高山本線高山駅から徒歩約10分。

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日本の美術館・博物館INDEX 「高山陣屋」の解説

たかやまじんや 【高山陣屋】

岐阜県高山市にある歴史博物館。平成8年(1996)創立。江戸幕府によって設置した役所高山陣屋(国指定史跡)を修復・公開。藩政や天領(幕府直轄領)の行政資料を展示する。
URL:http://www.pref.gifu.lg.jp/kyoiku-bunka-sports/shakaikyoiku/kankeikikan/takayama-jinya/
住所:〒506-0012 岐阜県高山市八軒町1-5
電話:0577-32-0643

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事典・日本の観光資源 「高山陣屋」の解説

高山陣屋

(岐阜県高山市)
ぎふ百選」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の高山陣屋の言及

【飛驒郡代】より

…さらに加賀のうち越前国境の諸村が加わるなど,飛驒以外の管轄地には変動があったが,1805年(文化2)には4ヵ国で総石高10万4200石余(ほかに美濃,越前に預所4000石余)にも及んだ。郡代の下僚は,58年(安政5)23代増田頼興の例によると,江戸詰の手付手代が10人,以下高山詰5人,本保詰7人,下川辺詰2人で,ほかに高山陣屋には地役人人が属している。この地役人はもと金森氏の下級家臣で,初代代官伊奈忠篤によって登用されたものである。…

※「高山陣屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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