高島善哉(読み)たかしまぜんや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「高島善哉」の意味・わかりやすい解説

高島善哉
たかしまぜんや
(1904―1990)

社会科学者。岐阜県に生まれる。1927年(昭和2)に東京商科大学(現在の一橋大学)を卒業後、東京商科大学予科・学部教授、予科長、一橋大学社会学部長歴任した。福田徳三大塚金之助門下。41年に処女作『経済社会学の根本問題――経済社会学者としてのスミスとリスト』を刊行し、大きな反響をよんだ。同書の一部は、スミス研究の不朽の名著として『アダム・スミスの市民社会体系』(1974)という題名で刊行されている。戦後『社会科学と人間革命』(1948)を刊行し、社会科学的ヒューマニズムの運動を積極的に推進した。その後も活発な執筆活動を続け、ライフ・ワーク『生産力の理論』の執筆に取り組んだ。「高島学派」といわれるほど多くの門下生を社会科学界に送り出した。

[長田五郎]

『高島善哉著『社会科学入門』『アダム・スミス』(岩波新書)』『高島善哉著『社会科学の再建』(1981・新評論)』『高島善哉著『自ら墓標を建つ』(1984・秋山書房)』『高島善哉著『人間・風土と社会科学』(1985・秋山書房)』『高島善哉著『時代に挑む社会科学』(1986・岩波書店)』

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20世紀日本人名事典 「高島善哉」の解説

高島 善哉
タカシマ ゼンヤ

昭和期の経済学者,社会学者 一橋大学名誉教授。



生年
明治37(1904)年7月13日

没年
平成2(1990)年1月10日

出生地
岐阜県羽島郡笠松町

学歴〔年〕
東京商科大学(現・一橋大学)経済学科〔昭和2年〕卒

経歴
東京商大助手時代の昭和8年マルクス「剰余価値学説史」を翻訳。10年予科教授、13年助教授を経て、16年教授に就任し、処女作「経済社会学の根本問題」を刊行。25〜41年一橋大教授。失明にもかかわらず、戦前マルクス主義アダム・スミス研究に没頭。戦後は23年「社会科学と人間革命」論を展開。40年近い教壇生活で多くの経済学者を輩出した。退官後は、関東学院大教授を務めた。他の主著に「アダム・スミスの市民社会体系」「社会科学入門」「社会思想史概論」「民族と階級」「マルクスとヴェーバー」「人間・風土と社会科学」など。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高島善哉」の意味・わかりやすい解説

高島善哉
たかしまぜんや

[生]1904.7.13. 岐阜
[没]1990.1.10. 東京
経済学者,思想家。 1927年東京商科大学 (現一橋大学) 卒業。早くからマルクス主義に傾倒し,『剰余価値学説史』の翻訳に取組むが,33年特別高等警察に逮捕され,訳稿を没収される。マルクス研究が困難ななか,スミスとリストの研究にファシズムヘの抵抗を託し,『経済社会学の根本問題』 (1941) を著わす。 41年東京商科大学教授。第2次世界大戦後は同大学の再建,社会学部創設に努力し,学部長に就任。 66年関東学院大学教授。主著『アダム・スミスの市民社会体系』 (47) ,『社会科学と人間革命』 (48) など。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「高島善哉」の解説

高島善哉 たかしま-ぜんや

1904-1990 昭和時代の経済学者,社会学者。
明治37年7月13日生まれ。母校東京商大(現一橋大)の教授,一橋大社会学部長,関東学院大教授を歴任。マルクスの「剰余価値学説史」を翻訳し昭和8年検挙された。のちアダム=スミスを研究。「高島学派」とよばれるおおくの研究者をそだてた。平成2年1月10日死去。85歳。岐阜県出身。著作に「アダム・スミスの市民社会体系」など。
【格言など】生きて帰って来たまえ,戦後が君達を待っている(出陣学徒へのことば)

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367日誕生日大事典 「高島善哉」の解説

高島 善哉 (たかしま ぜんや)

生年月日:1904年7月13日
昭和時代の経済学者;社会学者。一橋大学教授
1990年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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