大塚金之助(読み)オオツカキンノスケ

デジタル大辞泉 「大塚金之助」の意味・読み・例文・類語

おおつか‐きんのすけ〔おほつか‐〕【大塚金之助】

[1892~1977]経済学者。東京の生まれ。「日本資本主義発達史講座」の経済思想史を執筆。第二次大戦後、一橋大学経済研究所所長などを務めた。著「解放思想史の人々」など。

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精選版 日本国語大辞典 「大塚金之助」の意味・読み・例文・類語

おおつか‐きんのすけ【大塚金之助】

  1. 経済学者。東京出身。一橋大学教授。同大学経済研究所所長。経済思想史の研究で知られる。共同編集に「日本資本主義発達史講座」。明治二五~昭和五二年(一八九二‐一九七七

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20世紀日本人名事典 「大塚金之助」の解説

大塚 金之助
オオツカ キンノスケ

大正・昭和期の経済学者,社会思想史家,歌人 一橋大学名誉教授



生年
明治25(1892)年5月15日

没年
昭和52(1977)年5月9日

出生地
東京市神田区(現・東京都千代田区)

別名
別名=遠見 一郎,石井 光(イシイ ヒカル)

学歴〔年〕
東京高商(現・一橋大学)専攻部〔大正5年〕卒

学位〔年〕
名誉哲学博士(フンボルト大学)

経歴
東京高商の特待生だったが、「校友会報」に「主義者ゴールドマン」を発表、特待生資格を剥奪された。大正3年福田徳三ゼミで指導を受け、5年卒業後、母校講師となる。8〜11年コロンビア大、ロンドン大、ベルリン大に留学。帰国後、東京商大教授。昭和2年東京社会学研究所創立に参加。6年から野呂栄太郎を中心とする「日本資本主義発達史講座」の共同編集に加わり、7年唯物論研究会に参加。8年1月「講座」の経済思想史を執筆中、治安維持法違反容疑で伊豆湯ケ島で検挙され、懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を受け教職を辞した。戦後、20年東京商大(現・一橋大学)に復職、22〜23年経済研究所長も務めた。31年定年退官、明治学院大教授となる。41年勲二等瑞宝章を辞退。アララギ派の歌人としても著名であり、歌集に「朝あけ」「歌集・人民」がある。著書に「解放思想史の人々」「ある社会科学者の遍歴」「大塚金之助著作集」(全10巻 岩波書店)など。37年東ドイツ国立図書館に多数蔵書寄贈、“大塚文庫”が設立された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大塚金之助」の意味・わかりやすい解説

大塚金之助
おおつかきんのすけ
(1892―1977)

経済学者。明治25年5月15日東京・神田に生まれる。1916年(大正5)東京高等商業学校(後の東京商科大学、現一橋大学)専攻部卒業。19年から24年まで欧米に留学、激動期ドイツの諸思想に触れる。帰国後、東京商科大学教授として経済原論、経済学史を担当。『日本資本主義発達史講座』の共同編集者となる。33年(昭和8)治安維持法違反で逮捕され、失職。官憲の監視下に置かれ、和洋書1500余を自ら焼却した(第二次世界大戦後そのリストを私家版で刊行)。戦後同大学に復帰、経済研究所所長などを務め、56年(昭和31)定年退職、名誉教授となった。62年ドイツ民主共和国国立図書館に和書6000余を寄贈、74年一橋大学に収められた洋書8000余とともに、東西二つの大塚文庫を残した。アララギ派、のちプロレタリア派歌人としても活躍、79年歌集『人民』が出版された。昭和52年5月9日没。

[杉山忠平]

『『大塚金之助著作集』全10巻(1980~81・岩波書店)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大塚金之助」の意味・わかりやすい解説

大塚金之助
おおつかきんのすけ

[生]1892.5.15. 東京
[没]1977.5.9. 東京
経済学者。 1916年東京高等商業学校 (のちの東京商科大学,現一橋大学) 卒業。 17年同校教員となり,19~24年欧米に留学ののち東京商科大学教授。『日本資本主義発達史講座』 (1932~33) の共同編集者となったが,33年治安維持法違反容疑で逮捕され解職される。 45年母校に復帰し,同学経済研究所長として再建に尽力した。 56年定年退官,一橋大学名誉教授。国際的にもドイツなどに招待され幅広く活躍。日本学士院会員。主著『解放思想史の人々』 (49) ,『ある社会科学者の遍歴』 (69) など。アララギ派歌人としても知られ,歌集『人民』 (79) がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大塚金之助」の解説

大塚金之助 おおつか-きんのすけ

1892-1977 大正-昭和時代の経済学者。
明治25年5月15日生まれ。昭和2年母校東京商大(現一橋大)の教授。「日本資本主義発達史講座」の共同編集作業中の8年治安維持法違反で投獄され,辞職する。戦後復職し,経済研究所長などをつとめた。学士院会員。昭和52年5月9日死去。84歳。東京出身。著作に「経済思想史」,歌集に「朝あけ」など。

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367日誕生日大事典 「大塚金之助」の解説

大塚 金之助 (おおつか きんのすけ)

生年月日:1892年5月15日
大正時代;昭和時代の経済学者;歌人。一橋大学教授
1977年没

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