日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿部真之助」の意味・わかりやすい解説
阿部真之助
あべしんのすけ
(1884―1964)
大正・昭和期に活躍したジャーナリスト、評論家。明治17年3月29日生まれ。群馬県出身。東京帝国大学社会学科卒業。『満州日日新聞』を振り出しに『東京日日新聞』『毎日新聞』で記者生活を送る。社会、学芸、政治、整理各部長を経て、1938年(昭和13)取締役。以後主幹、主筆などを歴任、1944年定年退職。第二次世界大戦後は、得意の毒舌とその底に流れる庶民的批判と抵抗の心情のこもった人物評論や時事評論で多くの愛読者を得た。NHK経営委員長を経て、1960年(昭和35)から9代目のNHK会長に就任。国語審議会会長など各種の政府委員も務めた。著書も多く、1955年には菊池寛(きくちかん)賞、1956年には新聞文化賞を受賞した。昭和39年7月9日死去。
[高須正郎]
『大宅壮一他編『阿部真之助選集』全1巻(1964・毎日新聞社)』▽『大宅壮一著「阿部真之助論」(『大宅壮一選集 第7巻』所収・1959・筑摩書房)』