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魚々子 ななこ

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百科事典マイペディアの解説

魚々子【ななこ】

彫金の一技法。魚子,七子とも記す。先端が小さい輪状の刃になった魚々子鏨(たがね)を用いて,金属面に魚の卵のような小さな円文を連続して一面に打ち込む技法。一般に地文(じもん)に用い,魚々子地という。
→関連項目津軽塗

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世界大百科事典 第2版の解説

ななこ【魚々子】

金属面に切先の刃が輪状になった魚々子鏨(たがね)で細粒の円形を密に陰刻して表す技法。そのあとが魚の卵に似るところからきた名称。魚子,七子,魶子とも書く。日本では760年(天平宝字4)の《造金堂所解》に〈魚子打工〉の名称が見られるのが,文献では最古の例である。一般に地文として使用され,粟粒を蒔(ま)いたように打ちこんで文様を浮きたたせたり,鍍金(めつき)をして金の小粒を蒔いたようにも見せる。魚々子の工法は〈打つ〉ほかに,〈蒔く〉ともいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

魚々子
ななこ

金工技法の一つ。魚子とも書く。切っ先の刃が小円となった鏨(たがね)を打ち込み、金属の表面に細かい粟(あわ)粒をまいたようにみせる技法。隣接して密に打たれたさまが、あたかも魚の卵をまき散らしたようにみえるところからこの名がある。普通は文様部以外の地の部分に打たれる。日本には中国から伝播(でんぱ)したと考えられるが、『正倉院文書』に「魚々子打工」とみえるところから、奈良時代にはすでに専門工がいたことが知られ、正倉院には当時使用された魚々子鏨が伝存している。遺品の古い例としては、668年創建の滋賀・崇福寺塔心礎出土の鉄鏡や、686年とも698年銘ともいわれる奈良・長谷(はせ)寺の銅板法華説相図にみられるものがある。
 奈良時代から平安時代までは概して魚々子の打ち方は不ぞろいのものが多いが、時代が下るとともに整然と打たれるようになり、江戸時代には「互(ぐ)の目魚々子」とか「大名縞(しま)魚々子」といった変わり打ちも出現した。[原田一敏]

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世界大百科事典内の魚々子の言及

【彫金】より

…鋳造または鍛造(たんぞう)された金属器の表面に,鏨(たがね)で文様を彫ったり,透かしたり,他の金属を嵌(は)めて装飾したりする金工の加飾技法。毛彫(けぼり)や蹴彫(けりぼり)などの線刻,魚々子打(ななこうち),高肉彫や透彫(すかしぼり),象嵌(ぞうがん)などに大別される。 〈点線彫(てんせんぼり)〉は,先のとがった細い鏨を連続して打ち,点線を表現する技法。…

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