ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナベコウ」の意味・わかりやすい解説
ナベコウ
Ciconia nigra; black stork
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コウノトリ目コウノトリ科の鳥。全長約95cm。コウノトリより少し小型で,胸以下の下面は白いが,そのほかは金属緑色を帯びた黒褐色である。くちばしと脚と眼の周囲は赤く,とくに繁殖期には鮮赤色となる。ユーラシア大陸の亜寒帯・温帯とアフリカの一部で繁殖し,主としてアフリカ,インド北部,中国南部などで越冬する。日本には冬鳥として渡来するが,数はきわめて少ない。越冬地では単独かつがいで川岸,湖畔,湿地,水田などにすみ,魚類,カエル,昆虫類,タニシなどを食べている。この鳥はコウノトリよりは人を恐れ,人家近くで繁殖するのはまれである。森林帯の巨木や山間の岩壁の岩棚の上に営巣する。巣は枯枝を積み重ねただけのもので,数年にわたって使われることが多い。1腹の卵数は3~5個。抱卵と育雛(いくすう)は雌雄が交代で行い,抱卵期間は約35日。動物園などでまれに飼われている。
執筆者:森岡 弘之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
鳥綱コウノトリ目コウノトリ科の鳥。全長約95センチメートル。頭頸(とうけい)部と背面は金属緑色を帯びた黒褐色で、胸以下の下面は白い。嘴(くちばし)と足と眼囲部は赤色。ヨーロッパから沿海州にかけてと南アフリカの一部で繁殖し、冬は主としてアフリカ、インド北部、中国南部で越冬する。日本には冬鳥として渡来するが、数は非常に少ない。越冬地では海岸、湖畔、湿地、水田などにすみ、小魚、カエル、昆虫類、タニシなどを食べる。人の少ない森林帯の巨木や山地の岩棚の上に営巣し、繁殖する。1腹の卵は3~5個、抱卵期間は約35日。動物園などでときどき飼われている。
[森岡弘之]
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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