鹿島立ち(読み)かしまだち

日本大百科全書(ニッポニカ)「鹿島立ち」の解説

鹿島立ち
かしまだち

旅行に出発すること。旅立ち、門出。奈良時代、東国から筑紫(つくし)、壱岐(いき)、対馬(つしま)などの要路の守備に赴いた防人(さきもり)が、任地へ出発する前に鹿島神宮の前立ちの神たる阿須波神(あすはのかみ)に道中の無事を祈願したことに始まり、のち武士にもこの習慣が伝えられたという。これは『世事談』(菊岡沾涼(せんりょう)、1734)の説であるが、『和訓栞(わくんのしおり)』(谷川士清(ことすが))は、鹿島香取(かとり)の神たる武甕槌(たけみかづち)、経津主(ふつぬし)の2神が天孫瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の降臨に先だって、葦原中津国(あしわらのなかつくに)を平定したことに基づくとする。

[宇田敏彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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