六訂版 家庭医学大全科 「黒い爪」の解説
黒い爪
くろいつめ
Black nail
(皮膚の病気)
どんな病気か
正常の爪の色は光沢のあるピンク色ですが、マニキュアなどの外因物質、けが、薬、あるいは皮膚や全身疾患などのさまざまな要因によってその色調は変化します。本項では黒い爪すなわちメラニン色素による爪の黒色変化について記載しますが、爪の解剖用語を説明するための部位別名称を図104に示します。
原因は何か
爪は伸びるため、
しかし、爪母付近にほくろ以外のできもの(
①爪母のほくろ
②ほくろ以外のできもの
爪組織、とくに爪母付近に生じた悪性のできもの(基底細胞がんやボーエン病など)や良性のできもの(
③繰り返す外的刺激
靴あるいはギターの演奏など。
④皮膚疾患
⑤全身疾患
内分泌異常(アジソン病やクッシング症候群など)、代謝異常(ポルフィリン症や栄養失調など)、あるいは、ポイツ・イエーガー症候群や妊娠など。
⑥その他
手指への放射線治療や紫外線療法など。
症状の現れ方
●爪母のほくろ
幅1㎜程度の色素線条として始まり、次第に拡大しその色調も濃くなります。時には爪甲全体に拡大するばかりか、
治療の方法
全指に爪甲色素線条がみられた時は、原因となりうる病気があるか否かを検査します。また、指1本の場合は、爪母のほくろ以外にも、爪母付近に生じた悪性のできものや良性のできもの、あるいは外的刺激などを疑います。
なお、爪の色が爪母のほくろによると考えられ、その横幅が6㎜以上であるか、
立花 隆夫
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報