鼠捕り(読み)ねずみとり

精選版 日本国語大辞典 「鼠捕り」の意味・読み・例文・類語

ねずみ‐とり【鼠捕・鼠取】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鼠をとること。また、鼠を捕える器具。餌(え)を入れた器に鼠をおびき入れ、ばねなどの仕かけで入り口がしまるように作ったもの。鼠落とし。〔運歩色葉(1548)〕
  3. ねずみとりぐすり(鼠捕薬)」の略。
    1. [初出の実例]「建立のやうな身でうる鼠取」(出典:雑俳・柳多留‐七一(1819))
  4. ( 鼠を捕食するところから ) 「あおだいしょう(青大将)」の異名。〔物類称呼(1775)〕
  5. 警察が行なう、交通違反の取り締まりをいう俗語
    1. [初出の実例]「飛ばしてもネズミ取りに引っかからないところではクラウンのあまり高くはない性能をフルに発揮させ」(出典:男の掟(1969)〈大藪春彦〉高原)

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改訂新版 世界大百科事典 「鼠捕り」の意味・わかりやすい解説

鼠捕り (ねずみとり)

ネズミをとること,またその道具。稲作地帯では古くから穀物倉庫に〈ネズミ返し〉を仕掛け,日本の弥生時代の高床倉庫にも同様のものがみられるが,これは現在にも通用する防鼠(ぼうそ)構造である。猫いらずと呼ばれる殺鼠剤も永く使用されていた。西洋でも,ドイツの〈ハーメルンの笛吹き男〉の伝説(13世紀)にみられるように,ネズミの害に悩まされていたことが知られる。日本でネズミ駆除が規定されたのは伝染病予防法(第1次改正,1905)からで,明治から大正にかけてのペスト流行の際には,1頭5銭相当でネズミの買上げが行われ,懸賞金がついていたこともあった。第2次大戦後,清掃施設や下水道の整備が進み,1956年には厚生省による〈ネズミ駆除運動〉が実施された。しかし,急激な都市化でかえって専門業者によるネズミ駆除の需要が増えている。なお,害虫駆除と共通する点も多く,そ族昆虫駆除,そ昆駆除といういい方がある。ネズミの駆除には,防鼠構造などの環境的駆除,薬剤的駆除,天敵を利用する生物的駆除,ネズミ捕り器による機械的駆除がある。ネズミ捕り器はさまざまなものが考案されているが,一般には,圧殺式(パチンコ)や金網式(生捕り籠),粘着紙などを用いる。またネズミが超音波を出す習性を利用して,超音波撃退法も実用化されている。
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