ぐっすり

精選版 日本国語大辞典 「ぐっすり」の意味・読み・例文・類語

ぐっすり

[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① よく寝こむさまを表わす語。
※雑俳・清書帳(1725)「ちゃんと爰へ来てグッスリと寝て」
② じゅうぶんなさまを表わす語。
歌舞伎・四十七石忠矢計(十二時忠臣蔵)(1871)四幕「又ぐっすり呑めるぜ、おい旦那は御如在がねえな」
③ 残らずするさまを表わす語。すっかり。そっくりそのまま。
俳諧・飛梅千句(1679)賦何三字中畧俳諧「月とおもふ花請出してもつ斗〈満平〉 かぶろ胡蝶も根からくっすり〈友雪〉」
④ すっかり濡れ通ったさまを表わす語。ぐっしょり。ぐっすら。
※歌舞伎・夢結蝶鳥追(雪駄直)(1856)三幕返し「『嘸(さぞ)雨で困ったらうの』『二三町でぐっすり濡れた』」
⑤ とがったものや細長いものが、やわらかいものの中に勢いよく入りこんだりつきささったりする音、また、そのさまを表わす語。ずぶり。
※歌舞伎・𢅻雑石尊贐(1823)中幕「えてをぐっすりとやればナ…コレ大小を斯う差して直ぐに侍ひ」
つゆのあとさき(1931)〈永井荷風〉三「忽ち雨だれか何かの泥濘(ぬかるみ)へぐっすり片足を踏み込み」
[2] 〘形動〙 (一)④に同じ。
※歌舞伎・敵討噂古市(正直清兵衛)(1857)六幕「ええ今の一降りでぐっすりになった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ぐっすり」の意味・読み・例文・類語

ぐっすり

[副]
深く眠っているさま。熟睡するさま。「ぐっすり(と)眠っている」
物を突きさす音、また、そのさまを表す語。
泥濘ぬかるみへ―片足を踏み込み」〈荷風つゆのあとさき
十分にするさま。
「雪を掻いて祝儀を貰ひ、晩には―暖まらう」〈伎・霜夜鐘十字辻筮・四〉
[類語]ぐうぐう昏昏ぐうすかすうすうすやすやうつらうつらうとうとこっくりこっくりうつうつこくりこっくりとろとろとろんとろり夢うつつ夢心地

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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