玉川千之丞(2代)(読み)たまがわ せんのじょう

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「玉川千之丞(2代)」の解説

玉川千之丞(2代) たまがわ-せんのじょう

?-1693ごろ 江戸時代前期の歌舞伎役者
初代玉川千之丞の養子ともいわれ,延宝3年(1675)ごろ江戸で2代千之丞を襲名貞享(じょうきょう)元年に刊行された役者評判記「野郎三座詫(やろうさんざたく)」に若女玉河千之丞とあり,元禄(げんろく)元年刊の「役者辰鏡」では若女方として中の位をあたえている。元禄6年ごろ死去。

玉川千之丞(初代) たまがわ-せんのじょう

?-1671 江戸時代前期の歌舞伎役者。
若衆歌舞伎時代から野郎歌舞伎時代にかけての女方舞踊,小歌名手。はじめ京都村山座の舞台をつとめ,寛文元年江戸中村座で「高安通(たかやすがよい)」(「河内(かわち)通」)の井筒姫を演じて好評を博した。寛文11年5月14日死去。享年は35から36歳か。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典 「玉川千之丞(2代)」の解説

玉川千之丞

生年生没年不詳
寛文期(1661~73)の歌舞伎役者。初期野郎歌舞伎で女形芸を大成したという。特に江戸歌舞伎に女形芸を取り入れた点で功績がある。美貌で舞や小歌に優れ,非常に人気があった。当たり狂言は「河内通」など。3代(4代とも)まであるが,いずれも初代におよばなかった。<参考文献>竹内道敬『初世玉川千之丞』(『近世芸能史の研究』)

(今西晶子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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