デジタル大辞泉
「CSF」の意味・読み・例文・類語
シー‐エス‐エフ【CSF】[classical swine fever]
ブタやイノシシが感染するウイルス性の伝染病。伝染性が強く、致死率も高い。家畜伝染病の一で、治療法はないが、ワクチンで予防できる。人には感染しない。豚熱。豚コレラ。→CSFウイルス
[補説]1830年代に、養豚業の発展に伴い出現。CSF(classical swine fever)は「古典的なブタの熱病」の意で、1921年に報告されたASF(African swine fever)と区別するため「古典的な(classical)」と名付けられた。豚コレラは、米国での通称hog choleraの訳。コレラとは関連性がなく、症状も異なることから、現在では豚熱と訳される。
シー‐エス‐エフ【CSF】[critical success factor]
《critical success factor》企業の経営戦略などにおいて、ある目標を達成するためにもっとも重要とされる要因のこと。主要成功要因。重要成功要因。KFS(key factor for success)。
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CSF
しーえすえふ
政府、企業、団体、個人などが目標を実現する際に決定的に重要となる要因、または目標達成のためにもっとも力を入れて取り組むべき手段や課題。英語のCritical Success Factorsの略語で、日本では「主要成功要因」「重要成功要因」などと訳される。CSFは、目標達成に向けて、組織や個人の限られた資源をもっとも効率よく活用するために設定するものである。ビジネスではCSFとして、インターネットによる受注、付加価値の高い類似事業の買収、新製品の投入などが選択される。
CSFという概念は、コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーMcKinsey & Companyの役員を長く務めたロン・ダニエルD. Ronald Danielによって1961年に提唱され、MITスローン・ビジネス・スクール教授のジョン・ロッカートJohn F. Rockart(1931―2014)によって経営学の重要な概念として確立された。経営学では、最終的な目標としてのKGI(重要目標達成指標)を決め、その目標を実現する手段として、政策やビジネスの成否を左右する多くの手段のなかからもっとも重要なものをCSFとして選択し、これに優先的・集中的に資源が投入される。その後、正しく目標に向かってCSFが機能しているかどうかを、定期的にKPI(重要業績評価指標)で点検する手法をとる。たとえばKGIとして「5年後に大学入学者の30%増」という目標を設定して、CSFとして「大学の都心部への移転」を選択し、KPIとして「月次の大学訪問者数」をチェックするという手法がとられる。
[矢野 武 2016年4月18日]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
CSF(豚熱)
CSFウイルスによって起こる豚、いのししの熱性伝染病。かつては「豚コレラ」と呼ばれていたが、人が感染するコレラとは全く異なる病気のため、国際的に「CSF=Classical swine fever」という呼称となった。強い伝染力と高い致死率が特徴で、感染した豚は唾液、涙、糞尿などの中に同ウイルスを排泄し、これに接触するなどして感染が拡大する。治療法はなく、発生した場合の家畜業界への影響が大きいことから家畜伝染病予防法の中で「家畜伝染病」に指定されている。人に感染することはなく、感染した豚やいのししの肉や内臓を食べても人体に影響はない。日本では、食肉用の豚は「と畜場法」に基づき、全頭、自治体の畜検査員が異常や疾病がないかを検査しており、感染した豚肉が販売されることはない。養豚場などで感染が確認された豚は殺処分される。
CSF
豚コレラウイルスによる豚やイノシシの感染症である「豚コレラ」の英語表記「Classical swine fever」の略称。コレラ菌によるコレラとは別の病気で、人には感染せず、感染した豚やイノシシの肉を食べても人体に影響はない。日本は米国での呼称「hog cholera」から「豚コレラ」の名称を採用していたが、2018年9月より国内で感染が拡大し、豚肉への風評被害が懸念されるとして、19年に農林水産省が「CSF」の呼称を使い始めた。ただし、「豚コレラ」の名称は家畜伝染病予防法に明記されているため、政府は同法の改正による名称変更の必要性についても検討するとしている。
出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報
CSF
シーエスエフ
【Ⅰ】cerebrospinal fluid(脳脊髄液)の略称.脳脊髄液は,脳内部の脳室および脳と頭蓋骨間の狭いすきまを満たす液体で,脈絡そうによってつくられ,脳の保護と機能維持に不可欠である.【Ⅱ】colony-stimulating factors(コロニー刺激因子)の略称.コロニー刺激因子は,骨髄細胞から種々の血球がつくられる過程にかかわる分化誘導因子の総称.いずれも糖タンパク質で,顆粒球の分化増殖を制御するG-CSF,マクロファージの生成にかかわるM-CSF,顆粒球とマクロファージの形成に関与するGM-CSFがある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
CSF
シーエスエフ
chief success factor
主要成功要因のことで,新規事業や企業戦略を進めていく上で成功のカギを握るといわれる諸要素。 CSFは,限られた経営資源 (人員,資金など) をどこに戦略的に集中させたら効率的かという SIS (戦略情報システム) 構築の際,そのポイントとなる分野を決めるときにきわめて重要なものである。たとえば自動車メーカーの場合,車の「デザイン」「機能」「販売力」「コスト」「生産能力」などがそれに当たる。ライバル企業との差別化を図るうえで不可欠な要素であるが,経営戦略の中で意識されていなかったり,情報システム部門に明らかにされていないことが多い。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
CSF
colony-stimulating factor,コロニー刺激因子
CSF
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
知恵蔵
「CSF」の解説
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報