ETC(読み)イーティーシー

共同通信ニュース用語解説 「ETC」の解説

ETC

自動料金収受システム(ETC) 高速道路料金所の渋滞解消などを目的に2001年に全国展開された。対応レーンを通過すると、アンテナ車載器が通信し、料金が自動で徴収される。料金所に停車せずにスムーズに通過できるだけでなく、人手不足キャッシュレスへの対策にも有効とされる。国土交通省によると、25年1月時点の普及率は95・3%で、1日あたりの利用は774万台に上る。ETC搭載車のみ通行できるスマートインターチェンジ整備が進んでいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ETC」の意味・わかりやすい解説

ETC
いーてぃーしー

高速道路などの料金所で止まらずに通行料を精算できるシステム。Electronic Toll Collection Systemの略称。自動車に通信装置を取り付け、料金所のETCレーンのアンテナとの間で無線でデータをやり取りし、料金を銀行口座からの引き落としなどにより収受する仕組みである。料金所付近での自動車の流れを円滑にして、渋滞を緩和するねらいがある。2001年(平成13)3月から、東京湾アクアラインほか首都圏の料金所などでサービスが開始され、2002年度末までに全国の主要な料金所に導入された。ETC利用者には、通行時間帯による割引や、装着車両のみがスマートインターチェンジを利用できるなどの特典がある。国土交通省資料によると、2016年3月の1日当りの平均ETC利用台数は約719万台で、利用率は90.3%である。

 ETCの機能をさらに進化させたものにETC2.0システムがある。これまでITSスポットサービスやDSRC(dedicated short range communication)の名でよばれていたものであるが、ETC2.0の名称で統一された。すでに運用が始まっており、路車協調システムによるさまざまな運転支援サービスが行われている。ETC2.0では、ETCが備える高速道路利用料金収受機能に加えて、駐車場料金の支払いのほか、運転者に対して情報を提供することで、交通集中による渋滞回避や、安全運転の支援などが可能になる。このサービスを受けるためには、ETC2.0に対応する車載器が必要になる。

 ETC2.0の各種サービスを可能にしているのは、道路沿いに設置されたITSスポットとよばれる通信アンテナと車載器である。この双方間で高速・大容量通信(DSRC通信)を行うことで情報を伝達する。

 ITSスポットは高速道路上のサービスエリアや道の駅など全国約1600か所(2015年10月1日時点、ITSサービス高度化機構調べ)に設置され、さらに増設が計画されている。DSRC通信は電波ビーコン(5.8ギガヘルツ帯)による通信方式のことで、従来から設置されているVICSビーコン(電波ビーコン)と比べて、格段に高速で大容量の双方向情報伝達が可能になった。

[伊東和彦 2016年8月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ETC」の意味・わかりやすい解説

ETC
イーティーシー

高速道路など有料道路の自動料金収受システム。Electronic Toll Collection Systemの略。情報通信技術を用いて交通渋滞や交通事故などの道路問題の解決をはかる高度道路交通システム ITS; Intelligent Transport Systemsの一種。料金所での通行料金支払いによる混雑の緩和を目的に導入が計画され,1993年研究に着手,2001年3月サービスが開始された。車両が専用ゲートを通過する際に,車載器および情報登録済みの ICカードと料金所に設置されたアンテナが無線交信を行ない,自動計算された通行料金がクレジット機能によって決済される。均一料金制と,走行距離に応じた料金を支払う対距離料金制がある。混雑の緩和だけでなく,簡易料金所の設置や,通行時間帯ごとに料金を設定する割引サービスも容易になった。日本全国の ETC利用率は 2014年3月には約 90%に達している。海外では 1997年,カナダのトロントに世界初の完全 ETC高速道路 407号線が開通した。

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百科事典マイペディア 「ETC」の意味・わかりやすい解説

ETC【イーティーシー】

electronic toll collection systemの略で,自動料金収受システムとも。有料道路の料金所で停車することなく支払いができるシステム。料金所のアンテナと車載の通信装置が無線交信を行って通行料を精算(銀行口座などから自動引落し)する。渋滞緩和を目的に2001年から実施。高額な車載器などのため普及率はまだ低いが,購入費用の補助制度などができて,ETC車載器の登録が増えてきた。
→関連項目東京湾アクアライン

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