出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
呼吸器疾患の患者が呼吸の際発するゼーゼー,ヒューヒューという雑音。〈ぜいめい〉といわれることもある。気管支喘息で最もよくみられ,攣縮(れんしゆく)し細くなった気管支壁が振動して音が発生し,口から放射される。隣室でも聞こえるような強いものから,聴診器を胸にあててようやく聞きとれるような弱いものまで,その強さはさまざまである。しかし,音の強さは気管支攣縮の程度とは必ずしも関係しない。一般に気管支の内径は息を吸う(吸息)ときに広がり,吐く(呼息)ときに細くなるために,喘鳴は通常呼息に際して発生しやすいが,吸息時にも発生することがある。気管支喘息などでは,喘鳴とともに吐く息の時間が延長しているのが特徴である。安静時の静かな呼吸で喘鳴がみられなくても,できるだけ速く息を吐き出すように(強制呼出)すると喘鳴を生じることがあり,気管支攣縮や狭小を知るひとつの強調法として,診断に役立つ。吸息のみに聞かれる喘鳴は喉頭や気管など上部の気道が狭小となる種々の病変によっても生じ,小児の胸腺肥大による気管圧迫の際にみられる吸息性喘鳴は典型的な例である。
執筆者:工藤 翔二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ゼーゼーあるいはヒューヒューという呼吸音で、聴診器を用いないでも患者の傍らにいて聴取できる雑音(狭窄(きょうさく)音)をいう。気道の一部に狭窄があるときや分泌物がたまっているときに生ずる。乳幼児では生理的に気道が狭く、痰(たん)を自分でうまく排出できないためにおこしやすい。気道の感染のほか、アレルギー性の変化による場合が多く、異物や腫瘍(しゅよう)などでもおこる。吸気性におこる喘鳴(いわゆるstridor)は、喉頭(こうとう)以上の病変によるものであり、気管由来のものは吸呼気の両相に、また気管支由来のものはおもに呼気相に聴取される(wheeze)。
[山口智道]
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…気管支喘息とは,発作性の呼吸困難と喘鳴(呼吸時のヒューヒュー,ゼーゼーという音)を特徴とする呼吸器疾患である。
[歴史]
asthma(喘息)の語はギリシア語に由来し,〈あえぎ呼吸〉の意味である。…
※「喘鳴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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