基準値
2.5ng/mℓ以下(RIA法)
もしくは5ng/mℓ以下(EIA法)
大腸・膵臓がんなどで高値に
CEAは、大腸や
CEAは、正常細胞でも少量つくられていますが、細胞ががん化すると血液中に多量に出現し、基準値の2倍以上になると、どこかにがんのあることが推測されます。
血便や便通異常を初発症状とする大腸がんのスクリーニングには、便潜血反応(→参照)が行われていますが、最近ではCEAを測定することも多くなりました。
術後の経過、再発の判定にも重要
CEAは、がんを切除したり、抗がん剤療法でがんが縮小したりすると値が低下します。
その後の経過観察でのCEAの再上昇は、がんの再発やほかの臓器への転移などを疑わせる指標のひとつとして重要になるため、2~3カ月に1回は測定します。もし、再上昇を認めた場合は、ただちに腹部超音波(→参照)や腹部CT(→参照)などの精密検査が必要です。
検査値からの対策
CEAの基準値は施設によって異なり、2.5ng/mℓもしくは5ng/mℓのいずれかが使用されています。
CEAが高値の場合、体のどこかにがんがある可能性が高いので、症状にあわせてほかの血液検査やX線造影、超音波、CTなど消化器系を中心に、肺や婦人科などの精密検査も必要になります。
また、がんは進行性であり、CEAの高値ががんによる場合は上昇傾向を示すため、1~2カ月後に再検査を行います。これで変動がなければ、高値でも心配ないことがあります。
なお、喫煙者はCEAが高値になりますが、基準値の2倍を超えることは多くはありません。たばこを吸っていてCEAが基準値より若干高値の場合は、解釈が難しくなります。
疑われるおもな病気などは
◆高値→がん:大腸、膵臓、胆嚢、肺、子宮、卵巣、肝臓、胃など
医師が使う一般用語
「シーイーエー」=carcinoembryonic antigen(がん胎児性抗原)の略CEAから
出典 法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」四訂版 病院で受ける検査がわかる本について 情報
がん胎児性抗原(carcinoembryonic antigen)の略で、腫瘍(しゅよう)マーカーの一つ。CEAは分子量約15万のタンパク質で、ヒトの大腸がんから取り出され、胎児の腸管と共通の抗原性を有していることから命名された。腫瘍関連抗原の一つであり、腫瘍マーカーとして活用されている。細胞間接着因子としての活性も備えており、がん細胞においては転移に関与することが考えられている。
CEAは早期のがんでは血中濃度の上昇を認めないことが多く、早期発見のためのスクリーニングには有用でない。また、肝障害(肝硬変、肝炎など)、腎(じん)障害、腸炎(大腸炎、潰瘍(かいよう)性大腸炎など)、喫煙、糖尿病で高値を呈することもあり、この場合は偽陽性(がんがないのに、検査で陽性)となる。大腸がん以外に、甲状腺(こうじょうせん)がん、肺がん、乳がん、胃がん、胆道がん、膵(すい)がん、腎細胞がん、卵巣がん、子宮体がんなどの腺がんでも発現が認められることから、画像診断や病理診断と組み合わせて幅広く利用される代表的な腫瘍マーカーである。がんの進行に伴って高値となるため、再発や転移の有無など、臨床経過のモニタリングに有用である。
[渡邊清高 2019年5月21日]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
…合併症としては,腸閉塞,腸穿孔(せんこう),膿瘍,癌性腹膜炎,閉鎖性結腸炎,ときに膀胱や腟へ直接浸潤し瘻孔(ろうこう)形成,排尿障害などがある。検査では,糞便潜血反応は高度に陽性になり,病気が進むと低色素性小球性貧血などの貧血,血中CEA(carcinoembryonic antigenの略で,胎児タンパク質の一種)値上昇などがみられる。
[診断と治療]
直腸指診,大腸X線(注腸)検査,大腸内視鏡,腸生検などによる。…
…合併症としては,腸閉塞,腸穿孔(せんこう),膿瘍,癌性腹膜炎,閉鎖性結腸炎,ときに膀胱や腟へ直接浸潤し瘻孔(ろうこう)形成,排尿障害などがある。検査では,糞便潜血反応は高度に陽性になり,病気が進むと低色素性小球性貧血などの貧血,血中CEA(carcinoembryonic antigenの略で,胎児タンパク質の一種)値上昇などがみられる。
[診断と治療]
直腸指診,大腸X線(注腸)検査,大腸内視鏡,腸生検などによる。…
※「CEA」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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