知恵蔵 「NOTTV」の解説
NOTTV
テレビ放送の完全デジタル化に伴い、それまでのアナログ放送で使用されていた周波数帯のうち、207.5~222メガヘルツの帯域が「携帯端末向けマルチメディア放送(V-High)」(総称「モバキャス」)用として利用可能になった。NOTTVはこのモバキャスをインフラとして放送される。また、現在主流の携帯端末用放送であるワンセグの解像度は最大320×240、コマ数は15フレーム/秒だが、NOTTVの解像度は約480×800でコマ数は30フレーム/秒。ワンセグの約10倍の高画質とうたっている。
NOTTVは、スポーツ、ドラマ、音楽、アニメ、バラエティなどあらゆるジャンルを網羅した2チャンネルと、ニュース専門の1チャンネルの計3チャンネルから構成されており、野球の生中継、BSやCS放送で人気の番組、見逃した番組のための再放送、ニュースの24時間放送などが楽しめる。
視聴スタイルには、通常のテレビと同じ視聴を意味する「リアルタイム視聴」と、予約録画に相当する「シフトタイム視聴」の2種類があるが、シフトタイム視聴では、見たい番組を手動で予約する以外に、これまでの視聴履歴に基づいたおすすめ番組や、NOTTVからのおすすめコンテンツを自動予約することができる。更に、TwitterやFacebookなどのSNSと連携しているので、特定の番組を見ながら、仲間とSNSで番組の感想などをやり取りすることが可能。
また、携帯電話のように、災害時に通信回線の混雑によって繋がらないということもない。視聴エリア内なら、避難場所や、災害対策施設などの情報を必ず配信できるといった、放送ならではの利点も強調している。ちなみに大災害時には、無料で視聴できるようになるそうだ。
NOTTVの利用には、NOTTVアプリという専用アプリが必要で、サービスの利用料は月額420円。ただし、コンテンツの一部は別料金となる。なお、12年4月現在で、NOTTVが利用できるスマートフォンは、NTTドコモの「MEDIAS TAB N-06D」というタブレットと「AQUOS PHONE SH-06D」というスマートフォンの2機種のみ。視聴エリアも関東、東海、関西、九州、沖縄の14都府県と限られている。mmbi社は初年度100万契約を目指しているが、目標達成には、対応機器とエリアの早期拡張、拡大が課題である。
(横田一輝 ICTディレクター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報