日本大百科全書(ニッポニカ) 「PFI」の意味・わかりやすい解説
PFI
ぴーえふあい
社会資本整備の民間事業化の一手法。private finance initiativeプライベート・ファイナンス・イニシアチブの略称。政府や自治体の公共部門が対応してきた公共施設などの整備を、官民役割分担のもとに民間の資金や能力、ノウハウを活用することで、より効率的に行おうとする考え方である。イギリスで1992年に導入された。日本では、政府や自治体による公共投資に財政構造改革に逆行しないように枠をはめ、かつ景気浮揚の効果をねらって、自由民主党と政府が1997年(平成9)11月に打ち出した景気対策のなかに盛り込まれた。具体的な事業としては、中部国際空港、ITS(高度道路交通システム)、高速道路のインターチェンジの新設・整備などがあげられる。1999年7月にはPFIを導入し、推進していくための「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)」が成立した。2011年(平成23)に同法は改正され、公共施設等運営権が新たに追加されてコンセッション方式に大きく道を開いた。
[三条 彰]