(1)共振の鋭さの尺度。振動体に加える力あるいは共振回路に加える電圧の角振動数ωを横軸に,単位時間に振動系に吸収されるエネルギーwを縦軸にとってグラフを描くと,一般に図のように振動系の固有振動の角振動数ω0のところに最大値wmaxをもつ山形の曲線となる。これを共鳴曲線と呼ぶ。その形は振動系の特性に応じて決まる。この曲線でw=wmax/2となる角振動数がω0±⊿であるとき,2⊿を半値幅,Q=ω0/(2⊿)をQ値と呼ぶ。半値幅が小さいほど,あるいはQ値が大きいほど,共振は鋭く,すなわちωがω0にごく近い範囲でのみ共振が起きる。
→共振
執筆者:有山 正孝(2)核反応の際に外部と交換されるエネルギー。入射粒子aが標的核Aに衝突して,放出粒子bと残留核Bが生ずる反応a+A→b+Bにおいて,各粒子の質量をMa,MA,Mb,MBとし光速度をcとするとき,Q=[(Ma+MA)-(Mb+MB)]c2を反応のQ値という。Q値が正ならば発熱反応で,反応の際にエネルギーQが放出され,負ならば吸熱反応で,-Q以上のエネルギーを与えなければ反応は起こらない。
→核反応
執筆者:寺沢 徳雄
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…核反応A(a,b)Bにおいて,A,a,b,B各粒子の質量をそれぞれMA,Ma,Mb,MBとするとき,一般に反応前の質量の和Ma+MAは反応後の質量の和Mb+MBと異なる。その差に光速度cを2乗した[(Ma+MA)-(Mb+MB)]c2をQで表し,これを反応A(a,b)BのQ値と呼ぶ。質量mとエネルギーEの等価性についてのアインシュタインの式E=mc2によれば,Qが正のときには反応の際にエネルギーQが放出されることがわかる。…
…これは真空ポンプの性能を規定する際の重要な目安となるが,同時にポンプの排気速度も考慮する必要がある。真空工学では一般に用いられる体積流量を排気速度Sと呼び,流量を排気速度と絶対圧力pの積,Q=Spで表し,これをQ値と呼んでいる。Qは一般の質量流量に相当するもので,通常Torr・l/sで表す。…
※「Q値」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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