TDK(読み)てぃーでぃーけい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「TDK」の意味・わかりやすい解説

TDK(株)
てぃーでぃーけい

電子部品製造の大手企業。東京工業大学の加藤与五郎(よごろう)(1872―1967)、武井武(1899―1992)が発明した磁性材料フェライトを工業化するために1935年(昭和10)に東京電気化学工業として設立。現在ではエレクトロニクスの重要素材であるフェライトも創業当時は使用法がわからず、苦労を重ねた。第二次世界大戦後、まずラジオ用フェライトの需要が拡大、テレビの本放送開始で、フェライトの需要はさらに拡大した。1952年に磁気録音テープを商品化、68年にカセットテープを発売し、磁気テープ部門で世界のトップブランドに飛躍した。1973年に商品化したVHSビデオテープでもトップブランドとなり、海外の生産拠点も拡大した。1980年代に入り、海外の工場展開、新技術の開発、電子部品の新事業をダイナミックに推進しており、82年にフロッピーディスクを発売、翌83年には社名を東京電気化学工業からTDKに改称した(ただし登記上の商号は2002年までティーディーケイ)。資本金326億円(2008)、売上高3530億円(2008)。

[中村青志]

『TDK株式会社社史編纂室編『TDK60年史――夢・勇気・信頼 1935―1995』(1995・TDK)』

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改訂新版 世界大百科事典 「TDK」の意味・わかりやすい解説

TDK[株] (ティーディーケー)

世界一のフェライト,磁気テープメーカー。前身の東京電気化学工業(株)は,日本で発明された磁性材料フェライトの工業化を目的に1935年設立された。同社の主力製品は,昭和30年代までラジオ・テレビ用のフェライト製品であったが,40年代にはオーディオテープ,50年代にはビデオテープ,さらにHDD磁気ヘッドが加わった。このため現在では総合電子部品メーカーへと発展している。ちなみに民生用フェライト,オーディオテープ,ビデオテープの主力3製品とも世界一のシェアを誇り,高収益力の背景となっている。83年に現社名に改称(ただし登記上の社名はティーディーケイ)。また1968年に台湾に台湾東電化股份有限公司を設立して以来,国際化を積極的に進めている。資本金326億円(2005年9月),売上高6579億円(2005年3月期)。
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百科事典マイペディア 「TDK」の意味・わかりやすい解説

TDK[株]【ティーディーケイ】

電子部品メーカーの大手。かつてはフェライト磁気テープで世界一のメーカーだったが,最近はHDD用の磁気ヘッドやセラミックコンデンサーなどが収益の柱。1935年加藤与五郎・武井武(ともに東京工業大学の博士)が発明した世界初のフェライトコアの事業化を目的に,東京電気化学工業を設立。フェライトがテレビ・ラジオの重要素材であったことから,急激に成長した。のちセラミックコンデンサー,磁気テープ製造に事業拡大し,カセットテープ,ビデオテープで世界のトップブランドに成長。1968年台湾に進出以降,米国,韓国,メキシコなど海外に生産拠点を設け,国際的企業に変容している。1983年現社名に改称。本社東京,工場秋田,長野,千葉など。2011年資本金326億円,2011年3月期売上高8757億円。売上構成(%)は,受動部品49,磁気応用製品42,その他9。海外売上比率87%。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「TDK」の意味・わかりやすい解説

TDK
ティーディーケイ

電子素材,電子部品メーカー。1935年フェライト製の磁性体,フェライトコアの事業化を目的に東京電気化学工業として設立。1953年磁気テープの「シンクロテープ」を発売。1968年音楽用カセットテープSD」をアメリカ合衆国で発売,爆発的に普及した。1983年現社名に変更。2014年記録メディア事業から撤退。創業以来の磁性技術をいかし,磁気ディスク(ハードディスク)用の磁気ヘッドをはじめ,磁器コンデンサ製品などを開発製造する。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「TDK」の解説

TDK

正式社名「TDK株式会社」。英文社名「TDK CORPORATION」。電気機器製造業。昭和10年(1935)「東京電気化学工業株式会社」設立。同58年(1983)現在の社名に変更。本社は東京都港区芝浦。電子部品メーカー。日本で初めて音楽カセットテープを製品化したことで知られる。現在はコンデンサー・HDD用ヘッド・有機ELディスプレイなど電子素材部品が主力。東京証券取引所第1部・ロンドン証券取引所上場。証券コード6762。

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