独立国家共同体(読み)ドクリツコッカキョウドウタイ

デジタル大辞泉 「独立国家共同体」の意味・読み・例文・類語

どくりつこっか‐きょうどうたい〔ドクリツコクカ‐〕【独立国家共同体】

シー‐アイ‐エス(CIS)

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共同通信ニュース用語解説 「独立国家共同体」の解説

独立国家共同体(CIS)

旧ソ連構成国でつくる緩やかな国家連合体。ソ連崩壊直前の1991年12月8日にロシアウクライナベラルーシがベラルーシのベロベージエで創設協定に調印した。旧ソ連の15共和国のうち、バルト3国はCISに加盟せず、2008年にロシアと軍事衝突したグルジアは09年8月に脱退、現加盟国は11。加盟国は互いに領土保全と現国境を尊重することや、共同経済地域の設立発展関税政策での協力を行うなどとしている。(共同)

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精選版 日本国語大辞典 「独立国家共同体」の意味・読み・例文・類語

どくりつこっか‐きょうどうたい‥コクカ‥【独立国家共同体】

  1. 一九九一年一二月、ソビエト連邦の消滅とともに、連邦を構成していた諸共和国が形成した共同体。CIS。

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百科事典マイペディア 「独立国家共同体」の意味・わかりやすい解説

独立国家共同体【どくりつこっかきょうどうたい】

Commonwealth of Independent States(略称CIS),ロシア語ではSodruzhestvo nezavisimykh gosudarstv(略称SNG)。1991年12月8日,旧ソビエト連邦のロシア,ウクライナ,ベラルーシの3国はベラルーシのミンスクで〈独立国家共同体に関する協定〉に合意し,続いて12月21日にカザフスタンのアルマ・アタ(現アルマティ)において旧ソ連のうちバルト三国ジョージア(オブザーバー参加)を除く11共和国代表により,ソ連邦の消滅とCIS創設に関するアルマ・アタ宣言が発せられた(アゼルバイジャンは1993年,モルドバは1994年に正式加盟)。この結果,1922年の連邦条約で成立したソ連は69年で消滅,緩やかな連合体へと移行し,ゴルバチョフ大統領も辞任に追い込まれた。なお,国連常任理事国の権利はロシアが引き継ぎ,各国の調整機関として加盟国首脳評議会の設置も決まった。ジョージアは1994年3月に加盟し,現在の加盟国は12ヵ国。なお,CIS内ではその後個別に経済条約や安全保障条約などが締結され,各国間の関係がそれぞれ変化してきている。
→関連項目エリツィンカフカス北大西洋協力会議全ソ労働組合中央評議会ヨーロッパヨーロッパ安全保障協力機構ロシア

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「独立国家共同体」の意味・わかりやすい解説

独立国家共同体
どくりつこっかきょうどうたい
Commonwealth of Independent States; CIS

ソビエト社会主義共和国連邦を構成していた 11共和国からなる主権国家の自由連合体(→国家連合)。1991年設立。ロシア語 Sodruzhestvo Nezavisimykh Gosudarstv。1991年12月8日,ロシア,ウクライナ,ベラルーシの首脳がソ連にかわる新連合を創設する合意書に署名し,CIS設立への道筋をつけた。続いて中央アジアのカザフスタン,キルギスタン,タジキスタン,トルクメニスタン,ウズベキスタン,ザカフカジエのアルメニア,アゼルバイジャンおよびモルドバが加盟した。バルト3国リトアニアラトビアエストニアは加盟せず,ジョージア(グルジア)は 1993年に加盟した。1991年12月21日に正式に発足し(→アルマアタ宣言),翌 1992年1月ベラルーシのミンスクに本部を置き運営を開始した。CISは経済,外交,防衛,移住,環境保護,法執行に関する政策を加盟国間で調整する機能をもつ。最上層の統治機関は加盟国の元首(大統領)と政府首脳(首相)が構成する評議会で,各国政府の経済や防衛など主要分野の担当閣僚で構成する委員会が補佐する。加盟国は,自国の軍隊と自国領内に配備されたソ連の核兵器を単一の統合司令系統下に置くことを約束した。しかし実際にはこれは困難な課題となった。各国に市場経済と私有財産の導入をはかるための調整も難航した。2005年トルクメニスタンが準加盟国へ移行。2008年8月,ジョージアからの分離独立を目指す南オセチヤ自治州をめぐってロシアとジョージアの間で交戦状態が激化したのをうけ,ジョージアは CIS離脱の意思を表明,2009年8月に正式に脱退した。

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改訂新版 世界大百科事典 「独立国家共同体」の意味・わかりやすい解説

独立国家共同体 (どくりつこっかきょうどうたい)

ソ連崩壊のさなか独立した共和国からできた条約共同体。英語名Commonwealth of Independent States,略称CIS。ロシア語でSodruzhestvo nezavisimykh gosudarstv,略称SNG(エスエヌゲー)。1991年12月8日,ロシア,ウクライナ,ベラルーシの3国によって合意され,ミンスクで誕生した。これに年末アルマ・アタ(現アルマトゥイ)でアゼルバイジャン,アルメニア,カザフスタン,キルギスタン(現,キルギス),モルドバ,タジキスタン,トルクメニスタン,ウズベキスタンと11の共和国が参加した。グルジアは93年に加入したが,バルト諸国は参加しなかった。CISは執行機関をもたないが,調整,最高機関として,国家首脳会議,政府首脳会議がつくられており,また外相会議,国防相会議も制度化されている。決定は共和国の合意のみにより,共通言語は各国公用語だが,93年の独立国家共同体憲章では,使用言語はロシア語となった。

 CISをめぐっては,各国が完全独立国家となるまでの過渡的な措置なのか,それとも諸国家の統合過程の始まりなのか,といった対立があり,空洞化している面があることは否定しがたい。
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旺文社世界史事典 三訂版 「独立国家共同体」の解説

独立国家共同体
どくりつこっかきょうどうたい
Commonwealth of Independent States

1991年12月に発足した旧ソ連構成国による新体制の国家連合体。略称CIS
1991年12月8日ウクライナ・ロシア・ベラルーシのスラヴ系3共和国が創設。同月21日,旧ソ連構成国のうち,バルト3国,グルジアを除く11か国が参加して発足。連邦制を廃し,ゆるやかな主権国家の連合体をめざす。この発足を受け同月25日,ゴルバチョフ大統領が辞任してソ連が消滅。旧ソ連のもっていた国連安全保障理事会における地位や核管理責任をロシア共和国が継承することを合意。その後1993年10月グルジアが参加。構成国間の相互関係には強弱があり,(1)連邦条約締結国はロシア・ベラルーシ,(2)統合強化条約・関税同盟締結国は前出2国とカザフスタン・キルギス,(3)集団安全保障条約締結国は前出4国とアルメニア・グルジア・ウズベキスタン・タジキスタンとなっている。アゼルバイジャン・トゥルクメニスタン・ウクライナ・モルドヴァの4か国がいずれにも参加していない。

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知恵蔵 「独立国家共同体」の解説

独立国家共同体

バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)を除く旧ソ連諸国12カ国の共同体。1991年12月8日、ロシア、ウクライナ、ベラルーシの首脳が独立国家共同体(CIS)の創立を宣言した(ベロベージ合意)。93年には12カ国すべてが加盟した。CISはEC(欧州共同体)型の組織を目指したが、独自の憲法や議会は持っておらず、必要に応じてCIS首脳会議、外相会議、国防相会議などが開かれている。しかし、調印された数百の協定には強制力がなく、CISは今崩壊の危機に直面し、有名無実となっている。グルジア、ウクライナに親欧米政権が成立し、2005年には反ロシアの民主的選択共同体が創設された。05年8月にはトルクメニスタンがCISから脱退、グルジア、ウクライナは06年5月に脱退を検討した。モルドバも追随している。06年にロシアは、CISに代わってユーラシア経済共同体やCIS安全保障条約を軸にして、旧ソ連諸国を再統一する政策を打ち出している。

(袴田茂樹 青山学院大学教授 / 2007年)

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「独立国家共同体」の解説

独立国家共同体(どくりつこっかきょうどうたい)
(SNG)Sodruzhestvo nezavisimykh gosudarstv[ロシア],(CIS)Commonwealth of Independent States[英]

ソ連邦に代わって生まれた国家連合体。ロシア,ウクライナベラルーシ,中央アジア諸国,ザカフカースの2国,モルドヴァの11カ国の首脳が1991年12月21日アルマ・アタ宣言を発して,独立国家共同体を結成。のちグルジアが参加。このゆるい国家連合は以後必ずしも順調に発展していないが,なお将来の可能性を残している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「独立国家共同体」の意味・わかりやすい解説

独立国家共同体
どくりつこっかきょうどうたい

CIS

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世界大百科事典(旧版)内の独立国家共同体の言及

【ロシア連邦】より

…それらの国をロシアでは〈近い外国〉と呼んでいるが,この呼び方は,これらの国が〈外国〉一般ではないということを象徴している。CIS(独立国家共同体)の〈盟主〉としてCIS統合強化を図るか,それともそれらとの関わりを〈過大な負担〉(特に経済的負担)として切り捨て,ひたすら欧米を志向するかという選択が迫られた。旧ソ連諸国との関わりで特殊な重みをもつのは,2500万にも及ぶ在外ロシア人の権利をどのように保護するかという問題である。…

※「独立国家共同体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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