一般用医薬品(読み)イッパンヨウイヤクヒン(英語表記)Ethical Drug

デジタル大辞泉 「一般用医薬品」の意味・読み・例文・類語

いっぱんよう‐いやくひん【一般用医薬品】

医薬品うち医師処方箋がなくても、薬局などで自由に買える薬。大衆薬市販薬。→医療用医薬品要指導医薬品
[補説]一般用医薬品のリスク分類と情報提供厚生労働省より)
リスク分類対応する専門家質問がなくても行う情報提供相談があった場合の応答
第1類医薬品薬剤師義務義務
第2類医薬品薬剤師・登録販売者努力義務義務
第3類医薬品薬剤師・登録販売者不要義務

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共同通信ニュース用語解説 「一般用医薬品」の解説

一般用医薬品

医師の処方箋なしで、ドラッグストアなどで購入できる医薬品。大衆薬や市販薬とも呼ばれる。副作用リスクが高い順に第1類から第3類まである。処方箋が必要な薬は医療用医薬品と呼ばれ、区別される。一般用は企業間の競争が激しく広告費もかさむため医療用と比較して収益性が低く、買収や事業統合など再編の動きが活発化している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「一般用医薬品」の意味・わかりやすい解説

一般用医薬品
いっぱんよういやくひん

いわゆる「大衆薬」「市販薬」とよばれる医薬品。厚生労働省の資料によれば、「一般の人が、薬剤師等から提供された適切な情報に基づき、自らの判断で購入し、自らの責任で使用する医薬品」であり、薬局や薬店などで医師の処方箋(しょほうせん)なしで直接購入できる。薬局のカウンター越し(over the counter)に売買されることからOTC医薬品ともいう。その使用目的は、「軽度な疾病に伴う症状の改善、生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防、生活の質の改善・向上、健康状態の自己検査、健康の維持・増進、その他保健衛生を目的とする」ものである。

 なお、一般用医薬品は医薬品医療機器等法により、第一類(一般用医薬品としての使用経験が少ないなど、安全上とくに注意を要する成分を含むもの)、第二類(まれに入院相当以上の健康被害が生じる可能性がある成分を含むもの)、第三類(日常生活に支障をきたすほどではないが身体の変調・不調がおこるおそれがある成分を含むもの)に分類される。第一類医薬品は薬剤師が販売を担当し、適正に使用されると認められる場合を除き、薬剤についての情報提供を行うことが義務づけられている。一般用医薬品のインターネット販売は、第一類、第二類については原則禁止であったが、2014年(平成26)より「要指導医薬品」を除き可能となった。要指導医薬品には、医療用医薬品から移行してまだ一般用医薬品としてのリスクが確定していない「スイッチ直後品目」と「劇薬」が含まれる。

[編集部 2017年4月18日]

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知恵蔵 「一般用医薬品」の解説

一般用医薬品

医療用医薬品は、主に病院などの医療機関の医師の診断と処方に基づき使用される医薬品である。効き目が強く、ときに重大な副作用を起こす危険性があるため、医師が患者の症状や体質などに応じて使用を指示する必要がある。対象となる疾患も多岐にわたる。
一方、一般用医薬品は、医師による処方箋(せん)がなくても薬局・薬店で購入できる医薬品である。一般薬、大衆薬、市販薬などとも言われている。薬局・薬店のカウンター越しに手渡されることもあるため、Over the Counterdrugを略してOTC薬と呼ばれることもある。医療用医薬品に比べて効き目は穏やかで、副作用の心配も比較的少ない。患者やその家族が病気の初期の段階や、軽い頭痛や下痢、けがなどの場合に、自覚症状に基づいて自らの判断で購入して使用する。ただし、対象となる疾患は、医療用医薬品に比べて限られている。
最近では医療費節減の面からも、病気の初期の段階や軽い症状の場合は一般用医薬品によって患者が自ら治療する「セルフメディケーション」という考え方が広がりつつある。
なお、2009年6月1日からは改正薬事法が施行され、一般用医薬品は、副作用等の危険性(リスク)の程度に応じて、特にリスクの高い第1類医薬品、比較的リスクの高い第2類医薬品、リスクが比較的低い第3類医薬品に分類されて販売されることになった。第1類医薬品には、発毛剤のミノキシジル(商品名:リアップ)、H2ブロッカー胃腸薬のファモチジン(商品名:ガスター10)などが分類されている。これらの第1類医薬品の情報提供は薬剤師が行わなければならない。ただし、第2類、第3類医薬品の情報提供は薬剤師以外の専門家として新たに登場した「登録販売者」が対応してもよいこととなった。これにより、一般用医薬品の約9割を占める第2類、第3類医薬品は、登録販売者がい

(小林千佳子 フリーライター / 2009年)

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