いじめを「一定の関係にある児童生徒による心理的または物理的な影響を与える行為で、対象者が心身の苦痛を感じているもの」と定義。インターネットを通じたものも含まれる。また、いじめが背景だと疑われる自殺や長期欠席などを「重大事態」と位置づけ、学校や教育委員会は速やかに事実関係を調べ、被害者側に適切な情報提供をするよう規定している。調査が不十分な場合には自治体が再調査することができる。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
2011年(平成23)10月に起きた滋賀県の中学生の自殺事件をきっかけに、いじめの調査や防止対策を徹底するよう定めた法律。平成25年法律第71号。2013年6月に与野党の議員立法で制定され、同年9月に施行された。小中高等学校と高等専門学校において、同じ学校に在籍するなど一定の人的関係にある他の児童・生徒による心理的または物理的な影響を与える行為(インターネット上のものを含む)で、対象となった児童・生徒が心身の苦痛を感じているものを、いじめと定義する。さらにいじめを明確に禁止し、とくに(1)心身や財産に重大な被害が生じた疑いがある、(2)児童・生徒が1か月以上の不登校になる、という場合を「重大事態」としている。重大事態が起きた際には、学校や教育委員会に弁護士や医師などの中立的第三者が参加する調査組織を設け、迅速に事実関係を調べて文部科学省や地方公共団体へ報告するよう義務づけた。被害者側にも適切に情報提供し、個人情報保護を理由にいたずらに説明を怠ってはならないとした。いじめが犯罪行為と認められる場合は警察と連携し、重大な被害のおそれがある場合はただちに警察に通報することや、陰湿化しているとされるインターネットなどを使ったいじめ対策の推進も盛り込んだ。学校現場で同法を運用する際の指針となる「いじめ防止基本方針」の策定を、国と学校に義務づけ、地方公共団体には努力義務とした。学校には、教員のほか心理学や福祉の専門家らで構成するいじめ防止対策推進協議会を設置するよう義務づけた。また地方公共団体は、学校、教育委員会、児童相談所、法務局、警察などといじめ問題対策連絡協議会を設けることができるとし、いじめの早期発見や防止に力点を置いている。
[編集部 2015年3月19日]
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