ながら運転
携帯電話の普及を背景に、1999年の改正道交法に初めて処罰規定が盛り込まれた。当初は通話中などに交通の危険を生じさせた場合だけが処罰対象だったが、2004年の法改正で通話自体なども対象に加えた。その後も重大事故が相次ぎ、16年に愛知県でスマートフォン向けのゲーム「ポケモンGO」をしながら運転していた男のトラックに男児がはねられ死亡。18年には新潟県で漫画をスマホで読みながらワゴン車を運転していた男が死亡事故を起こした。遺族を中心に罰則強化を求める声が高まり、19年の法改正、厳罰化につながった。
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ながら運転
ながらうんてん
自動車等の運転中(停止している場合を除く)に、携帯電話の使用等をする行為。道路交通法(71条5号の5)により禁止され、処罰の対象となる。携帯電話で通話する行為のほか、スマートフォンやカーナビゲーションシステムの画面を注視する行為も該当する。通話に関しては携帯電話等の装置を保持している場合のみが規制対象(ハンズフリーであれば規制外)であるが、装置の画面を注視すれば保持していなくても違法となる。1999年(平成11)に禁止規定が導入され、近年の携帯電話使用等に係る事故の増加傾向等を踏まえて、2019年(令和1)12月から罰則が強化され、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金、普通車の場合の反則金は1万8000円、行政処分の違反点数は3点となっている。さらに、交通の危険を生じさせた場合には、交通反則通告制度(反則金制度)の適用から除外され、すべて刑事罰の対象となり、1年以下の懲役または30万円以下の罰金、違反点数も6点で免許の効力の停止の対象となる。なお、自動運転の場合(自動運行装置を使用している場合)には、自動運行装置の使用条件(国土交通大臣が付する走行環境条件)を満たさなくなったときにただちに対応できる状態であれば、この携帯電話使用禁止等の規定は適用されず、条件付きで、ながら運転が認められる。
[田村正博 2021年3月22日]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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