中近東や東地中海地方にはじまるとされる米飯料理。名前はトルコ語pilavに由来する。ヨーロッパ各地に伝わり,フランスではリ・ピラフriz pilafともいう。炊込飯の一種で,米を油脂でいためてから炊き上げる。ふつう,肉料理の付合せに用いるが,種々の材料を加えて一品料理にすることも多い。基本的な作り方は,厚手のなべにバターを熱し,みじん切りのタマネギ,次に洗った米を加えていため,全体が透き通った感じになったら,塩,コショウで調味する。ここに米の1.5倍量の水あるいはブイヨン,ブーケガルニを入れてふたをし,ふつうの飯のように炊き上げる。好みで肉類,ハム,エビ,貝類,マッシュルーム,ピーマン,ニンジン,グリーンピース,干しブドウなどを加えてもよい。
執筆者:辻 静雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
炒(いた)めご飯のこと。発生は西アジア地方とされ、アフガニスタンのパラオpalaw、イランのポロウpolow、トルコのピラウpilawなどの米料理がそれにあたる。現在、世界各国に浸透している。
作り方は、洗った米とタマネギのみじん切りをバターで炒め、塩、こしょうをして炊く。日本では、エビ、カニ、鶏肉、羊肉、魚貝類、ハムなどを利用して変化のあるピラフをつくって一品料理としたり、タマネギだけのものは他の料理の付け合せとして用いられている。付け合せとして他の料理といっしょに食べる場合は、ソースをかけるので、普通のご飯よりやや固めに炊き、ソースをかけることによってちょうどよい柔らかさになるように仕上げることが望ましい。
[小林文子]
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