デジタル大辞泉
「天文時計」の意味・読み・例文・類語
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てんもん‐どけい【天文時計】
- 〘 名詞 〙 天文観測に用いる標準時計。一秒ごとに時を刻み、盤面は二四時に分かれる。湿気・圧力・振動などによる狂いを防ぐため、地下恒温室に保管される。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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天文時計
てんもんどけい
astronomical clock
天文台で観測に使用されるきわめて正確な時計。一般の時計と特に違った構造をもつわけではなく,ただ精度を増すために種々の工夫が凝らされている。従来は振り子式のシンクロノーム時計,リーフラー時計などと呼ばれたもの,また,持運び用にはテンプ式のクロノメータなどが用いられていたが,現在は水晶発振器を用いた水晶時計がこれに代った。また,アンモニア分子,またはセシウム原子などの振動をもとにした原子時計も使われている。原子時計の誤差は年に 2×10-6 秒以下であり,これを基準にして原子時 ATが定義されている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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天文時計
てんもんどけい
天文観測や正しい時間の保持のために使われる精密に時を刻む時計をいう。古代の日時計、水時計もその当時での天文時計といえるが、本来の意味での天文時計は共振制御による振り子時計がつくられて以降出現した。すなわち、1889年ドイツのリーフラが自由脱進機を完成させ、1921年イギリスのショルトが自由振り子時計を発明して以後である。ショルトの天文時計は日差が1日に0.001秒に達し、地球自転の不整の検出を可能にしたほどの精度をもつものであった。その後より精度の安定した水晶時計や、さらに精度の高い原子時計が発明、実用化されると振り子型の時計は姿を消した。現今、世界主要国の天文台ではセシウム原子時計を天文観測に際して用いているが、原子時計、水晶時計ともとくに天文時計という呼び方はしない。
[渡辺敏夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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