標準時計(読み)ひょうじゅんどけい(その他表記)standard clock

精選版 日本国語大辞典 「標準時計」の意味・読み・例文・類語

ひょうじゅん‐どけいヘウジュン‥【標準時計】

  1. 〘 名詞 〙 時刻標準となる正確な時計水晶時計原子時計が用いられる。
    1. [初出の実例]「天賞堂の店頭で世界の標準時計(ヘウジュンドケイ)を見たって大して感興も起らなかったが」(出典:異国膝栗毛(1928)〈近藤浩一路〉四)

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改訂新版 世界大百科事典 「標準時計」の意味・わかりやすい解説

標準時計 (ひょうじゅんどけい)
standard clock

標準時の保持に使われる時計のこと。歴史的には,17世紀ころから時計の製造修理において日差を調整する場合の基準として用いられた,秒針をもち,振子は2秒または1秒に1往復する高精度振子時計(レギュレーターregulator)から発達した。無線通信・ラジオ時報などの普及,時計の精度向上,とくに天文時計の高精度化に伴い,標準時計は時報・標準電波の発生源として,長さ・重さの基準と同様な原器的な意味をもつようになった。天文時計はその代表で,クロノメーターリーフラー時計,ショート時計などのてんぷや振子の時代を経たのち水晶時計の出現(アメリカ,1927)で飛躍的に精度が向上し(1日当り1~0.1μsの誤差),地球の微細な変動が観測できるようになった。次いでアンモニア原子時計が,そしてセシウム原子時計イギリス,1955)が出現し,数万年に1秒の誤差という驚異的な精度が保持されるようになった。
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百科事典マイペディア 「標準時計」の意味・わかりやすい解説

標準時計【ひょうじゅんどけい】

時刻の標準となる精度の高い時計。原器的な意味をもつ。17世紀時計の製造や修理の際に日差を調整するのに用いられた高精度の振子時計から発達,水晶時計の出現で1日当り1〜0.1マイクロ秒の精度となり,さらに原子時計では数万年に1秒の誤差にまでなっている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「標準時計」の意味・わかりやすい解説

標準時計
ひょうじゅんどけい
standard clock

時刻の基礎を定めるのは天体の運行であるが,常に天測に頼るのは不便なので,特に精度の高い時計を基準として定める。これを標準時計という。水晶時計原子時計を用いる。

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