標準時の保持に使われる時計のこと。歴史的には,17世紀ころから時計の製造,修理において日差を調整する場合の基準として用いられた,秒針をもち,振子は2秒または1秒に1往復する高精度の振子時計(レギュレーターregulator)から発達した。無線通信・ラジオ時報などの普及,時計の精度向上,とくに天文時計の高精度化に伴い,標準時計は時報・標準電波の発生源として,長さ・重さの基準と同様な原器的な意味をもつようになった。天文時計はその代表で,クロノメーター,リーフラー時計,ショート時計などのてんぷや振子の時代を経たのち水晶時計の出現(アメリカ,1927)で飛躍的に精度が向上し(1日当り1~0.1μsの誤差),地球の微細な変動が観測できるようになった。次いでアンモニア原子時計が,そしてセシウム原子時計(イギリス,1955)が出現し,数万年に1秒の誤差という驚異的な精度が保持されるようになった。
執筆者:小野 茂
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