居多神社(読み)こたじんじや

日本歴史地名大系 「居多神社」の解説

居多神社
こたじんじや

[現在地名]上越市五智六丁目

五智ごち公園の東、小高い丘陵端にあり国分こくぶん寺と向き合う。境内には松・杉・欅がうっそうと繁茂する。江戸末期までは、北方海浜に臨んで鎮座していたが、慶応二年(一八六六)社地が崩壊したため、明治一二年(一八七九)現在地に遷座。祭神大国主命・奴奈川姫命・建御名方命・事代主命。延喜式内社であり、室町時代には越後一宮として崇敬された。旧県社。現在当社は「こた」と呼称されるが、「延喜式」神名帳の一本の訓に「ケタ」とあるように、元来は能登気多神社、越中気多神社などと同じく「けた」神社であったと考えられ、古代における出雲勢力の進出をうかがわせる。創祀時期は不明だが、「頸城郡延喜式神社考」に「持統天皇御宇八月三日預案下官幣也神代古跡」とあり、神代古跡であったという伝えをもつ。社蔵の神祇伯袖判居多神社位記証状に「日本後紀曰、弘仁四年秋七月壬申越後国頸城郡无位居多神従五位下」とある。現存の「日本後紀」には弘仁四年(八一三)秋七月条は欠失となっていて、この史料信憑性はわからないが、貞観三年(八六一)には従五位上居多神が弥彦神などとともに従四位下を授けられており(「三代実録」同年八月三日条)、弘仁四年の従五位下授位は事実であったと考えて無理がない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

百科事典マイペディア 「居多神社」の意味・わかりやすい解説

居多神社【こたじんじゃ】

新潟県上越(じょうえつ)市に鎮座。旧県社。主祭神は大己貴命(おおなむちのみこと)。媼嶽(おうなだけ)明神・居多明神と称した。越後(えちご)国一宮。気多(けた)神社と同系統で,社名を〈けた〉と訓むとの説もある。延喜式内社。もとは日本海に面した居多浜(こたはま)村にあったが,山崩れにより1866年現在地に遷した。
→関連項目直江津

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デジタル大辞泉プラス 「居多神社」の解説

居多神社

新潟県上越市にある神社。“居多”は「こた」と読む。祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)、奴奈川姫(ぬなかわひめ)、建御名方命(たけみなかたのみこと)。越後国一之宮。

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